「 Gift ～あなたはマドンナ～」土岐麻子

「 Gift ～あなたはマドンナ～」土岐麻子
作詞：小野健、EPO 作曲：EPO 編曲：斎藤茂彦、橋本竜樹
2011年1月19日発売

典型的なB型と言われてばかりの本当はA型、ハナオです。

今回のイントロが短い名曲たちは、土岐麻子さんの「 Gifr ～あなたはマドンナ～」を取り上げます。

「 Gifr ～あなたはマドンナ～」は、土岐麻子さんのセカンドシングル曲です。

作詞・作曲はシンガーソングライターのEPOさんで、元は大手化粧品メーカー資生堂のエリクシール・シュペリエルのTVCMのタイアップソングとして作られました。

EPOは「 Gifr ～あなたはマドンナ～」以外にも資生堂に歌を提供しており、自身の「う、ふ、ふ、ふ」、高見知佳さん「くちびるヌード」、香坂みゆきさん「ニュアンスしましょ」( 作曲のみ )などいずれもCM効果もあってヒットを飛ばしています。

「 Gifr ～あなたはマドンナ～」はEGO-WRAPPIN'のヴォーカリスト中納良恵さんもCMで歌っていますが、歌と声質がアンニュイなマッチングを醸して耳に残る土岐麻子さんヴァージョンの方で人気を博しました。

発売年2011年にはラジオ番組の「桑田佳祐が選ぶ今年の名曲ベスト10 」で堂々の第一位に輝いています。

土岐麻子さんはポップスバンドCymbalsのリードヴォーカルを経て現在はソロシンガーとして活動中で、山下達郎さんお抱えのサックス奏者として知られる土岐英史さんの愛娘。

若干鼻にかかった声と独特な粘っこさがある歌い方が特徴で、技術で押すというよりもオールカマーを狙わないオンリー・ワンを意図した個性で聴かせるシンガーです。

ですから普通なら広く集客効果をあげたいCMの歌い手に抜擢されるタイプではないはずですが、楽曲がEPOさんの作品であることが妙で、これについては次項で解説いたします。

HIGHLIGHT - The Very Best of Toki Asako -

イントロはアウフタクトのリードが1拍と1小節、ペダルノートのベースと4声和音が1拍ずつ刻んで進行します。

曲全体を通して使用しているコードが4声和音なのがepoさんの特徴その1。

彼女の楽曲が化粧品のCMと相性が良いのもこれがゆえです。

4声コードはトライアドに比べて、よりおしゃれな響きを醸します。

たとえばメジャーコード「 C 」であれば「 Cmaj7　」にすることでマイナー寄りに、マイナーコード「 Cm 」だったら「 Cm7 」を使うことでメジャー寄りにと、それぞれ逆の和音効果をもたらし良い意味でファジーな雰囲気が漂います。

他にも、モーダルインターチェンジ、係留音の連続使用、代理コードへのドミナントモーションなど小粋な施しもあちこちにバラまかれて、乙女心をくすぐる“あなただけの物感”満載♪( ← CMのキャッチみたい…… )

パターンは、イントロ → サビ → 間奏1 → Aメロ → Bメロ → サビ×2 → Aメロ → Bメロ → サビ×2 → Cメロ → サビ×2 → エンディング( 間奏と同じ )～フェードアウト。

上記どの部位もすべてメロディの上下動が激しく、これがepoさんの特徴その2。

とくに化粧品のように聴き手の心を躍らせる必要があるケースでは、ピョンピョンと弾むように動くメロディラインが定番。

低音旋律が連続すればテンションは下がりますし、かといって高音ラッシュではキンキン響いて拒否反応を示される恐れも。

epoワールドのサウンドに土岐麻子さんのヴォーカルが奇跡のマッチング。

まるで仕掛かり中だった10000ピースのジグソーパズルに拾ったピースがピタリとハマッて完成したかのようです……なに言ってんだ、自分???

演奏時間4分7秒。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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