「 白いギター 」チェリッシュ
作詞:林春生 作曲・編曲:馬飼野俊一
1973年9月25日発売
虫と魚は詳しいが鳥と植物の知識はからっきし、ハナオです。
今回のイントロが短い名曲たちは、チェリッシュの「 白いギター 」を取り上げます。
「 白いギター 」について
チェリッシュのシングル表題曲
「 白いギター 」はチェリッシュの7枚目シングルのタイトルソングです。
前作「 てんとう虫のサンバ 」ブーム真っ盛り中のわずか2ヶ月後という当時としては極端に短いスパンで発売されましたが、元々は「 白いギター 」の方が先にレコード発売が決まっていまして、「てんとう虫のサンバ」はアルバム収録から急遽のシングルカット曲でした。
リア充たっぷりお花畑満開の「 てんとう虫のサンバ 」に比べて、「 白いギター 」の歌詞は愛する人の小さな行動の変化をいちいち深読みするという観察眼と洞察力に秀でた女性の心情をしっとりと描いています。
夫婦デュオの代名詞的存在
チェリッシュは1971年「 なのにあなたは京都へゆくの 」で5人グループとしてデビューしました。
翌年、松崎好孝さんと松井悦子さんを除くメンバーを入れ替え、2ndシングル「 だからわたしは北国へ 」をリリース。
どちらもヒットしたものの、松崎さんと松井さん以外のメンバーは音楽性の違いから3枚目EP発売前に脱退していきます。
ふたりが結婚したのは1977年のことですが、その何年も前から交際は公然とおこなわれていまして、周囲のスタッフや芸能人もファンも暖かく見守っていました。
それゆえ、ハナオの記憶の中では「 てんとう虫のサンバ 」も「 白いギター 」も“夫婦デュオのチェリッシュ”が歌っていたようにインプットされていたことにちょっと驚き!
あ~、あの頃はまだ結婚していなかったのかぁ……。
日本の夫婦デュオは他にもシュリ―クス、ダ・カーポ、ル・クプルなどがありハナオはそれぞれ何曲かドライブBGMで流し聞きしておいますが、いずれチェリッシュも含めて“音楽的に”じっくりと聴き比べてみたいと思います。
ゴールデン☆ベスト チェリッシュ<
透き通ったハーモニーと上品なアレンジ
まずはチェリッシュといえばの透明感あふれる悦ちゃんの歌声。
夫婦ならでは( あ、まだ未婚だった )の息の合ったハーモニーを聞かせてくれます。
元々この歌、特にサビ部はドラマチックな音の動きをしていまして、チェリッシュ二人のハモリが旋律の抑揚を更に引き立てています。
オリジナルキーはGmで、コード進行にびっくり箱の仕掛けは無し。
イントロは2小節、エレキギターの3連アルペジオでしっとりとスタート。
歌唱部に入ると4拍目だけの控えめなアップストロークのギターが加わります。
AおよびBメロでは、カウンターメロディ気味にオブリガードを入れてくるエレキピアノが目立ちます。
Bメロでドラムがハイファットの4分音符刻みという入り方に時代を感じさせてくれます。
弦と管のオーケストラのボリュームは絞り気味なのに、サビでアクセントを担うハープだけがやたら主張してきます。
でもエレピとハープの上品な音色がこの歌のアレンジのアイデンティティなのでしょうね。
2番のサビ繰り返し部で半音上のキーへと転調、最後はスキャットでフェードアウト。
演奏時間2分53秒。
しっとりと音に浸りながら聴きたい佳曲です。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。