「 牛小屋 」たま
作詞・作曲:柳原幼一郎
1991年1月21日発売 アルバム「 ひるね 」収録
幽霊なんかいない、常識で考えて存在するわけがない、誰が何と言おうと絶対に信じない、もし実在するなら頼むから決して自分の前には出てこないで欲しいハナオです。
今回のイントロが短い名曲たちは、たまの「 牛小屋 」を取り上げます。
「 牛小屋 」について
たま2ndアルバム収録曲
「 牛小屋 」は、たま2枚目のオリジナルアルバム「 ひるね 」の1曲目にクレジットされているヴォーカル&ギタリスト柳原幼一郎作の歌です。
視点が人間なのか牛なのかはたまた他の生き物なのかさっぱりわからない世にも奇妙な歌詞の……たまの歌はそんなのばかりなのですが、常人には思いつかない思いついても歌にはしないぶっとび具合です。
「 牛小屋 」は柳原が初めて人前で演奏した歌らしく、初めてこの歌を聴かされた人たちもさぞかし面食らったであろうことは想像に難くありません。
しかし、ハナオはアルバム「 ひるね 」の全13曲の中で「 牛小屋 」が最も好きな歌です。
歌詞も旋律もアレンジも理屈抜きで柳原の抜きん出たセンスを感じます。
楽曲に関してはまた後述いたします。
イカ天グランドキング たま
たまはインディーズ活動時の1989年、当時起こったアマチュアバンドブームの火付け役となったTBSの「 三宅裕司のいかすバンド天国 」 = 通称「 イカ天 」に出演し、奇抜なバンド構成と奇奇怪怪な音楽でプロの審査員および視聴者の度肝を抜きました。
同番組にはそれまでにもおかしなだけ( 失礼! )の色物バンドはいくつも登場していましたが、たまは演奏技術も確かでなにより音楽性が極めて高く、「 こいつら一体なにもの? 」と衆目を引き付けるオーラを発していました。
ハナオはリアルタイムでたま初登場シーンを視聴しており、「 らんちう 」に面食らいつつも、もっと彼らの他の歌も知りたいと思ったのでした。
願いどおりにその週のキングの座を勝ち取り、あとは毎週珍妙なれども魅力ある歌を披露して5週勝ち抜いてグランドキングとなった経緯に若干の震えさえ覚えました。
たまの代表曲はいわずと知れた「 さよなら人類 」ですけど、ハナオが挙げるたまNo.1ソングは1stアルバム「 さんだる 」に収録された「 どんぶらこ 」ですかね~。
シニカルでブラックな詞と単調なコード進行の繰り返しが「 牛小屋 」に近いテイストを感じさせてくれます。
ひるね(紙ジャケット仕様)
使っているコードは2.5個!?
イントロは2小節、ピアノのブロックコードによる F - C - F とトニック - ドミナント - トニックのいわゆる「 起立・礼・着席進行 」( ← 正式な音楽用語ではありませんので勘違い注意 )。
メロディラインから聴き取るとパターンは3種類でしょうか。
ところがこの歌、使っているコードはFとC7の2種類のみ!
イントロのCを足してもわずか3個、いやこの場合2.5個と呼ぶべきかも。
こういう芸当を見せつけられると、つい内声を気にしすぎてコードをこねくりまわすクセがあるハナオは反省しきりです。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。