朝起きてから今日が何曜日かわかるまで10秒くらいかかります、ハナオです。
前回アップした記事について、音楽関係のリア友から質問がありました。
友「 メジャーコードの『 C 』が『 Cmaj7 』になるとマイナー寄りに、マイナーコードの『 Cm 』が『 Cm7 』になるとメジャー寄りになるとはどういうことか? 」
いずれ音のブログの目で見て耳で聴く音楽理論にて詳しく取り上げるから待っててちょーだい。
友「 いずれ、とはいつ頃か? 」
ん~、一年後くらいかなぁ。
渋い顔をされました。
彼にはつい先日ココイチでオゴッてもらったばかりですし、あまり蔑ろにもできないし……。
ああ、4つもトッピング頼むんじゃなかったなぁ。
というわけでカレーひと皿の義理にて臨時の音楽理論講座を開かせていただきますのでおつきあいください。
「 コードの上にコードの載せて…… 」
「 コードの基本はトライアド 」
コードのボイシング( 和声 )は、「 トライアド 」( 三和音 )を基準として考えます。
「 トライアド 」の構成音は、コードのベースとなる「 ルート = 1度 」、「 3度 」、「 5度 」の3つです。
もっともわかりやすいハ長調のコード「 C 」ですと、「 ルート 」が「 ド 」、「 3度 」が「 ミ 」、「 5度 」が「 ソ 」、皆さんお馴染みの幼稚園の先生や保母さんがオルガンで弾いてくれた「 ド・ミ・ソ 」和音になります。
3音のうち「 ルート = 1度 」は「 完全1度 」、「 5度 」は「 完全5度 」音程で固定されますが、「 3度 」は「 長3度 」と「 短3度 」の2種類の半音程変化があります。
「トライアド」が「 完全1度・長3度・完全5度 」( ド・ミ・ソ )で構成されるとコードは「 C 」( Cメジャー )になり、「 完全1度・短3度・完全5度 」( ド・ミ♭・ソ )の構成和音でコードは「 Cm 」( Cマイナー )になります。
なお、上記のとおり、コード「 C 」は「 Cmajor 」( Cメジャー )が正式名称で、一般的にメジャーコードが「 トライアド 」の場合は「 major 」( メジャー )の部分を省略して呼称します。
上図でちょっと気に留めておいて欲しいのは隣り合った各コード構成音のそれぞれの「 ピッチ 」( 間隔 )。
「 ルート」から「 長3度 」は半音4つ分で「 短3度 」までは半音3つ分。
「 長3度 」から「 5度 」までは半音3つ分で、「 短3度 」から「 5度 」までだと半音4つ分。
この「 ピッチ 」が「 4声コード 」の秘密を紐解く鍵となってきます。
コード「 C 」と「 Cm 」を1小節ずつ交互に鳴らした音声データもアップしますので、「 メジャーコード 」の明るい響きと「 マイナーコード 」の暗い響きの違いを聴き比べてください。
「 4声コードとは? 」
「 3声コード 」の「 トライアド 」を「 4声コード 」にする場合は「 7度 」を加えるのがボイシング的に無理がなく、一般的です。
「 7度 」にも「 長7度 」と「 短7度 」の2種類があり、構成音に「 長3度 」がある「 メジャーコード 」には「 長7度 」を、「 短3度 」が含まれる「 マイナーコード 」には「 短7度 」を付加させます。
上記の「 長 」「 短 」を逆に付け足すコードもありますが、今回の主旨からははずれますので説明はまた別の機会に。
では「 C 」に「 長7度 」を加えた「 Cmaj7 」と、「 Cm 」に「 短7度 」を足した「 Cm7 」をご覧ください。
次に音声データもアップしますが、こちらは「3声コード」と「4声コード」をそれぞれ聴き比べていただきます。
【 コード「 C 」と「 Cmaj7 」 】
【 コード「 Cm 」と「 Cm7 」 】
「 4声コードの音の秘密 」
いかがでしょうか?
「 4声コード 」は「 トライアド 」に比べて不思議な響きがしますね。
「 C 」よりも「 Cmaj7 」の方が短調っぽく、「 Cm 」よりも「 Cm7 」の方が長調っぽく聞えませんか?
その秘密はコードの構成音にあります。
もう一度「 Cmaj7 」と「 Cm7 」の構成音をご覧ください。
丸で囲った部分、気が付かれましたでしょうか?
それぞれが先ほど説明した「 マイナーコード 」と「 メジャーコード 」の「 トライアド 」になっています。
分解してみましょう。
つまり「 Cmaj7 」はベース音「 C 」の上にコード「 Em 」が乗った形に、「 Cm7 」はベース音「 C 」の上にコード「 E♭ 」の乗った形になります。
コードネームで示すなら、「 Cmaj7 」=「 Em on C 」、「 Cm7 」 = 「 E♭ on C 」にそれぞれ代えることができます。
ですから「 Cmaj7 」は短調の響きに、「 Cm7 」は長調の響きに寄って聞こえるわけなのです。
「 和声を増やしてみると 」
ここからはオマケです。
せっかくですからイタズラついでに「 4声コード 」を「 5声コード 」にしてみましょう。
どの音を足したら良いのかわからない!……とお悩みでしたら、とりあえず先ほど「 4声コード 」にした要領で、高い2つの音を使って「 トライアド 」を作ってください。
はい、できました。
「 Cmaj7 」にも「 Cm7 」にも「レ」の音( 9度 )がプラスされましたね。
それぞれコードネームは「 Cmaj7 」が「 Cmaj9 」に、「 Cm7 」は「 Cm9 」に変わります。
分解してみますと、「 Cmaj9 」は単音の「 C 」「E 」と「 メジャーコード 」の「 G 」、「 Cm7 」は単音の「 C 」「 E 」とマイナーコードの「 Gm 」になります。
なお、「 Cmaj9 」は「 Cmaj7(9) 」と、「 Cm9 」は「 Cm7(9) 」とも表記され、「 テンション 」( 下記参照 )追加の利便性も含め、カッコを使った後の方が一般的です。
これからの説明もカッコつけて( シャレです、一応…… )いきたいと思います。
どんどんまいります、次は「 6音コード 」です。
コイツも同様に高い2つの音で「トライアド」を作ります。
コードも6音になると「 トライアド 」2つに分けることができます。
「 Cmaj7(9) 」はコード「 C 」とコード「 B 」に、「 Cm7(9) 」はコード「 Cm 」とコ
ード「 B♭ 」の2階建てになりました。
コードネームは前者が「 Cmaj7(9,#11) 」、後者が「 Cm7(9,11) 」です。
この和音の上にさらに「 ラ 」の音を乗せトライアドを作ると、コードネームは「 Cmaj7(9,#11,13) 」と「 Cm7(9,11,13) 」になり、下を「 4声コード 」上を「 トライアド 」で区切るとそれぞれが「 Cmaj7 」+コード「 D 」、「 Cm7 」+コード「 D 」に分かれます。
ここまでくると和音を押さえいるのか、イタズラで鍵盤をガシャ弾きしているのかわからなくなりますけど、実際にこれだけの音を同時に鳴らすケースはそうそうありません。
ここでコードネーム上のカッコつけているルートからオクターブ以上のピッチの音たちはいわゆる「 テンションノート 」です。
また、「 Cmaj7 」の上に「 D 」が乗っているコード二重がさねの形式は「 アッパー・ストラクチャー・トライアド 」( UST )といいます。
これらに関してはいずれ目で見て耳で聞く音楽理論にて、とても詳しく説明する予定ですのでどうかお待ちください。
ん~、三年後くらいかなぁ( 笑 )
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。