前回の記事「 音楽初心者でもわかる長調と短調の違い徹底解説( 1 ) 」では、「 長調 」と「 短調 」の決定要素に「 歌詞 」「 曲調( 曲の雰囲気 ) 」「ノリ 」や「 テンポ 」は関係無く、「 音階 」のみで決まることを学びました。
そして、「 音階 」を理解し、どうやって「 長調 」と「 短調 」の違いを聞き分けるかには、実際に音声データを聴き、ケーススタディの数をこなす方法が最適であるとも書きました。
今回からそのケーススタディを具体的に実践してまいります。
「 長調 」と「 短調 」の違いを音で確認
理論的な説明は後回しでまいりましょう。
「 長調 」と「 短調 」の音声データをそれぞれ3曲ずつアップしました。
著作権フリーで誰もが知っているできるだけ簡単な旋律の曲ということで、童謡と民謡を選びました。
まずは聴いてみてください。
「 長調 」の曲3選
「 おもちゃのマーチ 」
「 こいのぼり 」
「 むすんでひらいて 」
「 短調 」の曲3選
「 ドナドナ 」
「 うれしいひなまつり 」
「 トロイカ 」
明るい「 長調 」と暗い「 短調 」
いかがでしたでしょうか?
「 長調 」と「 短調 」、それぞれに同じ傾向のイメージを感じれらたでしょうか?
「 長調 」は明るい感じの曲調に聴こえます。
「 短調 」は暗い感じの曲調に聴こえます。
前回記事の例に使った「 会いたい 」と「 かけめぐる青春 」は、「 歌詞 」「 ノリ 」「 テンポ 」のせいで「 明るい 」と「 暗い 」イメージに混乱が生じやすくなっていましたが、これら童謡と民謡は純粋な旋律( メロディ )から「 曲調 」がつかみやすいと思います。
いまひとつピンとこない方は、「 長調 」= 明るい、「 短調 」= 暗いのイメージを前もって思い浮かべながら上の3曲ずつを繰り返し聴き比べてみてください。
何度も聞き直していると、なんとなくつかめてくると思います。
今はまだ“なんとなく”で構いません。
それぞれ一節ずつしかアップしませんでしたが、鼻歌で結構ですからフルコーラス歌ってみるのもよろしいかと存じます。
「 長調 」と「 短調 」3つの違い
さて、たくさんのケーススタディをこなして「 長調 」と「 短調 」の聞き分けに入る前に、ここからは“なんとなくの曲調の違い”を形にしていくために少しずつ理論を絡めて考えていきます。
「 長調 」と「 短調 」には具体的に3つの違いが存在します。
1)「 曲調 」の違い
前回の記事でも書きましたが、“明るい”“暗い”の「 曲調 」の違いは、曲全体が持つ「 雰囲気 」違いです。
上記でやった3曲ずつの聴き分けがその第一歩です。
理論的なことはさておき、曲が“明るい”のか“暗い”のかを、聴くだけでイメージとして感じることがもっとも重要です。
あくまでも旋律のみのイメージです。
しつこいようですが、「 歌詞 」( 歌のテーマ )、「 ノリ 」、「 テンポ 」( アレンジ )等は「 長調 」と「 短調 」の聴き分けに一切役に立ちませんので、頭の中から除外しておいてください。
2)「 音階 」の違い
「 長調 」と「 短調 」は曲を楽譜に起こしたときに、各々の音の並びに一定の法則が見られます。
「 音階 」( スケール )と呼ばれるもので、「 長調 」は「 長音階 」、「 短調 」は「 短音階 」を使って旋律が作られています。
次項で「 音階 」の違いを、詳しく解説してまいります。
3)「 和音 」の違い
「 和音 」とはつまり「 コード 」のことで、「 長音階 」を用いた旋律の曲には「 長音階 」から作られた「 コード 」が乗り、「 短音階 」を用いた旋律の曲には「 短音階 」から作られた「 コード 」が乗ります。
「 音階 」についての説明の後に取り上げます。
今はまだ説明いたしません。
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長調と短調の違い徹底解説( 3 )に続きます。