前回の記事「 音楽初心者でもわかる長調と短調の違い徹底解説( 2 ) 」からの続きです。
前回の最後に説明した「長調」と「短調」の3つの違い
1)「 曲調 」の違い
2)「 音階 」の違い
3)「 和音 」の違い
からも一番のキモとなる「 音階 」の違いを説明してまいります。
前々回にて述べましたが、結局のところ「長調」と「短調」の違いとは、使っている「音階」の違いに集約されます。
「 曲調 」も「 和音 」も「 音階 」からの派生のすぎません。
「 長調 」とはなにか? 「 短調 」とはなにか? をしっかり理解するためにも、この部分はじっくりと徹底的に解説いたします。
「 長調 」と「 短調 」の「 音階 」の仕組み
ステップ1 サンプル曲の説明
それでは、「 長調 」と「 短調 」の「 音階 」の違いと仕組みについて、わかりやすくサンプル曲を使い具体的に説明いたしましょう。
聴いていただいておわかりのように、この「 きらきら星 」は明るい感じがする「 長調 」の曲です。
メロディを五線譜に起こし、下に音階名と演奏する音ひとつずつに番号を振りました。( 見やすいように1オクターブ下げて記譜しています )
この曲は白い鍵盤だけで弾けますので、上の番号をそれぞれの鍵盤に当てはめてみます。
上の2つの画像でおわかりいただけるように、ドから曲がはじまり、ドで終わっています。
ステップ2 音をずらしてみる
次に弾く順番はそのままに、音をずらします。
ラからはじまり、ラで終わるように低い方にずらし、白い鍵盤だけで弾きます。
さきほどと同じに旋律を五線で表したのが下の画像です。
では、ずらした曲を聴いてください。
同じ「 きらきら星 」なのに、こちらの方は暗い感じに聞こえる「 短調 」になりました。
ステップ3 2つの曲は何が違うのか?
聴き比べた「 きらきら星 」には二つの大きな違いがあります。
ひとつは、はじまりと終わりの音が違うこと。
「 長調 」はド、「 短調 」はラ。
そしてもうひとつ、まずは下の画像をご覧ください。
わかりやすいように、「 長調 」と「 短調 」の鍵盤を曲のはじまりの音を基準に並べてみました。
一目瞭然ですね、黒鍵の位置が違っています。
ステップ4 予備知識「 半音 」と「 全音 」
「 半音」と「 全音 」については、過去記事の「ドレミファソラシドの正体」で取り上げています。
内容はほぼ同じになりますが、こちらではもう少しわかりやすく説明してまいります。
低い「 ド 」から高い「 ド 」までの1オクターブの中は13等分により12個の音により「 音階 」が形成されています。
鍵盤の白と黒の違いこそあれ、各鍵盤の音は等分されているので隣り合っている鍵盤のピッチ(音と音の間隔)は一緒です。
音楽理論では、この隣り合った音のピッチを「 半音 」と言います。
また、「 半音 」+「 半音 」、つまり音を1つ間にはさんだ2個隣りの音とのピッチを「 全音 」と言います。
ステップ5 「 長音階 」と「 短音階 」の正体
さきほど、「 長調 」と「 短調 」の鍵盤を曲のはじまりの音を基準に並べてみましたら、黒鍵の位置が違っていました。
例題曲の「 きらきら星 」は「 長調 」も「 短調 」も白い鍵盤だけで弾けましたので、使っている「 音階 」は下の図の印をつけた音になります。
そして、「 長調 」の「 音階 」と「 短調 」の「 音階 」それぞれののピッチは下図のとおりです。
この「 音階 」のピッチの並びこそが「 長音階 」と「 短音階 」の違いそのものになります。
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次回、「 音楽初心者でもわかる長調と短調の違い徹底解説( 4 ) 」で、引き続き「長音階」と「短音階」について説明してまいります。