お小遣いで最初に買ったレコードは映画サントラ版「 マイ・ウェイ 」、ハナオです。
いよいよ音のブログで音楽理論の説明をしてまいります。
知識ゼロの人でも眠くならないよう、画像と音を用いてできるだけわかりやすく、硬い説明になりすぎないように進めてまいりますので、どうぞよろしくお付き合いください。
まずは、Secthion1 の第1回「 ドレミファソラシドの正体 」です。
五線とドレミ
記事をご覧になっている方が「楽譜をまったく読めない」の前提で話を進めます。
上の画像は、ハ長調における「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」それぞれの音が書かれた五線譜です。
便宜上変な記号やら縦の線やら描かれていますが、今は気にしないで五線上の音の位置だけを確認してください。
左が低い音で右に向かって高くなっていきます。
ちなみに音を読む順番、つまり歌ったり演奏したりするときも左から右へ向かいます。
なお、赤い線で囲んだ部分は、同時に二つ以上の音を演奏する場合の表記です。
もう一度「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」を見て、そしてどの音が五線のどの位置にあるのかを覚えてください。
はじまりの「 ド 」が五線の下に土星みたいに飛び出したところ、「 レ 」が五線の下、「 ミ 」は一番下の線、「 ファ 」は下から一番目の線と二番目の線の間……という具合に。
最初のうちはいちいち下から指さしながら「 ド・レ・ミ・ファ・ソ…… 」と数えても全然かまいません。
音符と五線に慣れていくことが重要ですから。
鍵盤とドレミ
前項で五線に書かれた「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」が「 ハ長調における 」ものであることにサラッと触れていました。
その意味を説明する前に、この「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」がピアノなどの鍵盤ではどのキー( 鍵 )に該当するのかを確認してください。
鍵盤上では、「 ド~ド 」の音が8枚の白いキーとちょっと短い5枚の黒いキーの中に収まっています。
この「 ド~ド 」までの音程を「 オクターブ 」を呼びます。
「 8va. 」とも記譜され、「 完全8度音程 」( 別項で詳しく解説します )の意味です。
余談ですが、「オクト = oct 」は「 8の 」を表す接頭辞で、タコの英名オクトパス( octopus ) は8本の脚を持つ生き物の意味ですし、10月が英語でOctoberなのも8番目の月( 大昔の1年は3月がスタート )からきています。
話を元に戻しまして、ハ長調の「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」は、ご覧のとおりすべて白い鍵盤だけで奏でられます。
さて、皆さんがカラオケにいったとき、歌の旋律が自分には低すぎたり高すぎたりして歌いにくい場合はリモコンの「 Key( キー )+ 」や「 Key( キー )- 」を押して音程を変えますよね。( ここ用いている「 キー 」は鍵盤のことではありませんが、詳しい説明は割愛します )
この場合、音の呼び方はどうなるのでしょうか?
これは2通りの読み方があります。
上は、ズレた音の分だけ「 ド 」以下全部の音も動かして読む方法で、これを「 移動ド 」といいます。
下は、はじまりの「 ド 」の音がハ長調のときのまま動かず、その「 ド 」から読むもの、これを「 固定ド 」と呼びます。
「 ド# 」や「 レ# 」のように音階名の後ろにくっついている「 # 」は、「 シャープ 」と読み、その音を半音( 後述します )上げる指示記号です。
わたしたちが普段使っている「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」は、概ね「 固定ド 」と思っていただいて差し支えありません。
しかし、一部の楽器演奏習得や音楽理論を深く学んでいくと、「 移動ド 」を用いらねばならないケースが出てきますし、本当のこといいますと無意識下では圧倒的に「 移動ド 」に囲まれて生活しています……が、それはまた置いておいて~。
前述のように白い鍵盤だけで音を出せ、言葉で説明するにもイメージとして捉える上にも便利なので一般的な「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」は「 固定ド 」とお考えください。
ドレミの構成
「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」の音の並び方には法則があり、「 移動ド 」にもその法則が必ず適用されます。
上の譜面で「 ド 」と「 レ 」の間に黒鍵が1つはさまっていますね、あ~邪魔くさい!
「 レ 」と「 ミ 」の間にも黒鍵が1つあります。
でも「 ミ 」と「 ファ 」の間には黒鍵がありません。
音と音の高さの違いを「 音程( ピッチ ) 」といい、「 ド 」と「 レ 」、「 レ 」と「 ミ 」のように間に鍵盤1つが挟まる = 2つズレる音程を「 全音 」と呼びます。
そして「 ミ 」と「 ファ 」のように隣り合った鍵盤 = 1つズレる音程は「半音」と呼びます。
続けて「 ファ 」と「 ソ 」、「 ソ 」と「 ラ 」、「 ラ 」と「 シ 」はいずれも全音関係にあり、「 シ 」と「 ド 」は半音程違っています。
この「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」の「 全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音 」の音程の並びは「 固定ド 」でも「 移動ド 」でも変わることがありません。
ではカラオケリモコンの説明で用いられた2種類の「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」を連続で鳴らしてみます。
音程の違いを感じてください。
音階の読み方
「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」のように音を高さ順に並べたものを「 音階 」といいます。
「 ドレミ音階 」には「 固定 」と「 移動 」があることはわかりましたね。
一旦楽譜におこしてしまえば、その旋律が「 固定ド 」であろうが「 移動ド 」であろうが知ったことでは無いですし、そもそも歌唱や演奏に関係ありません。
しかし、口頭による指導や伝達には不都合が出そうです。
この「 ドレミ式 」はイタリア語とフランス語の音階でして、このほかに「 ドイツ語 」「 英語 」「 日本語 」の音階もあります。
この中の「 英語 」と「 日本語 」の音階を覚えることは、音楽理論を学ぶ上で必須項目となります。
英語式はアルファベットで「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」を表します。
英語音階の「 C・D・E・F・G・A・B 」は「 ドレミ音階 」のように移動はしません。
カラオケのリモコンボタンを何回押そうが「 C 」は「 C 」。
「 英語読み 」は「 固定式 」のみ。
ですから、これから学んでいく音楽理論の和音や旋律の説明には絶対に必要、海外旅行に出かける際のパスポートと同じレベルです。
なお、「 ドイツ語音階 」も「 C・D・E・F・G・A・B 」ですが、主にクラシックの音楽理論向けで若干ややこしいゆえ、このブログでは取り上げません。
上の図は日本語の音階です。
ひょっとしたら今の若い人は知らないかもしれない「 い・ろ・は・に・ほ・へ・と 」が使われています、時代を感じますね~。
こちらは雅楽で和楽器でも弾かない限り、「 ドレミ音階 」の代わりにお目にかかることはまずありません。
それならばなぜ覚えなければならないのか?
はい、察しの良い方なら気づかれたと思います。
「 ハ長調 」の「 ハ 」ですね。
つまり「 ハ長調 」とは、ざっくり言うと「 ハ 」の音からはじまる「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」を旋律に使った曲、という設定になります。
はじまりの「 ド 」の音を「 主音 」( キーノート = keynote )といい、「 主音 」の変更に伴って「 調性 」( キー = key )が変わります。
こちらの「 キー 」が前出のカラオケリモコンで操作する「 キー 」と同意になりますが、「 主音 」「 調性 」の詳しい説明はまた別の機会にいたします。
次回の目で見て耳で聴く音楽理論は「 五線と縦線 」について説明します。
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最後までお読みいただきありがとうございました。