平日の朝は起床アラーム3つがけ、ハナオです。
今回の目で見て耳で聴く音楽理論は、Section1「楽譜と音符を学ぼう」の第7回「 拍子もいろいろ、ノリもいろいろ 」( 前編 )です。
「 拍子 」とは何ぞや?
以前の記事「 音符の長さ 」( 前編 )でも説明しましたが、その楽曲の基本リズムが分母で、小節内に分母で示された音符がいくつ入るかを分子で表したものが「 拍子 」です。
今までは説明の都合上4/4(4分の4拍子)しか取り上げてきませんでした。
これからその他の拍子を一気に紹介してまいります。
あ、その前に!
基本リズムである分母の単位は一体どうやって決めているのか?
これに関しては別項目で譜面と実例の音声データでじっくりと解説する予定です。
もうしばらくお待ちください。
拍子記号
「 五線 」上では「 拍子記号 」を記譜して当楽曲の「 拍子 」を指定します。
このうち4/4( 4分の4拍子 )と、2/2( 2分の2拍子 )には別の「 拍子記号 」があります。
4/4( 4分の4拍子 )の方はアルファベットの「 C 」に見えますが、形の由来は「 〇 」です。
元々「 〇 」は“完璧なもの=3拍子"を表していまして、4拍子は“完璧ならざるもの”として右側が切れた「 〇 」から「 C 」のようになりました。
2/2( 2分の2拍子 )の方は「 C 」を縦線で等割した形状という意味合いです。
それぞれ「 コモンセンス 」、「 アラ・ブレーベ 」と読みます。
実は上2つ以外にも別の「 拍子記号 」を持つ拍子があります。
譜面上で現実に見かけることはまず無いので今回は省略しますが、いずれ機会がありましたら紹介いたします。
「 強拍 」と「 弱拍 」
「 小節 」内の拍子には、インパクトが強く感じられる「 強拍 」( = アクセント )と、それに比べてインパクトが弱い「 弱拍 」が存在します。
拍の強弱が「 小節 」ごとに一定の周期で繰り返されることで「 リズム 」を構成します。
基本的に1拍目が「 強拍 」、2拍目以降が「 弱拍 」で、リズムの構成上「 弱拍 」の中でもインパクトが強めの拍を「 中強拍 」と呼びます。
「拍子」の分類
「 拍子 」も「 音符 」や「 休符 」同様、スタイルによっていくつかにカテゴリー分類されます。
「 単純拍子 」
主に同一拍子で連続する形の2拍子、3拍子、4拍子は「 単純拍子 」といいます。
「 単純拍子 」では分母に当てられた 音符が、その楽曲の1拍になります。
「 複合拍子 」
同一の「 単純拍子 」を組み合わせて作られた拍子を「 複合拍子 」といいます。
分子にあたる拍子は6、9、12……と必ず3の倍数となり、分母の音符の3連が基本リズムで、つまり分母の1.5倍の長さが1拍となります。
ですから楽曲の分子が「 6 」だと6÷3で2拍子、分子「 9 」は9÷3で3拍子、分子「 12 」で12÷3の4拍子になります。
「 変拍子 」( 混合拍子 )
上記以外の拍子を総括して「 変拍子 」といいます。
その中で、異なる「 単純拍子 」を組み合わせて作られた拍子を「 混合拍子 」といいます。
「 混合拍子 」と別の拍子形式として「 特殊拍子 」の呼称を取り上げる考え方もありますが、定義の線引きは曖昧でごちゃ混ぜに使われているのが現状です。
「 5拍子 」
「 5拍子 」はほぼ上記の3パターンに限定されます。
このうち、1番上の「 強拍 」が1拍目のみで以下すべてが「 弱拍 」の形を「 純5拍子 」と呼びます。
「 5拍子 」の楽曲ですと、映画「 ミッション・インポッシブル( スパイ大作戦 ) 」のメインテーマや、ジャズで有名なデイブ・ブルーベック・カルテッドの「 テイク・ファイブ 」などがあります。
1拍は分母の音符でこの3曲共に「 四分音符 」が1拍ですが、5/8( 8分の5拍子 )で書かれた譜面も稀に見かけます。
「 7拍子 」
「 7拍子 」は主に上記の5パターンが区分されます。
このうち、1番上の「 強拍 」が1拍目のみで以下すべてが「 弱拍 」の形を「 純7拍子 」と呼びます。
「 7拍子 」の楽曲ですと、SMAPの「 Top Of The World 」や安藤まさひろの「 EYES OF THE DRAGON 」などがあります。
「 5拍子 」同様、分母の音符が楽曲の1拍となり、7/4( 4分の7拍子 )の曲もあります。
「 8拍子 」
「 8拍子 」は上記3パターンがクラシックやダンス音楽にあるらしいのですが、ハナオは一度も聞いたことがありません。
「 3+3+2拍子 」でどうやってノッて踊るのでしょう?
「 9拍子 」
「 9拍子 」の主なリズムパターンは上図で、前項の「 複合拍子 」の「 9拍子 」はリズムベースが3連符な点が異なります。
「 混合拍子 」は以上の他にも実際に「 10拍子 」、「 11拍子 」、「 複合拍子 」ではない「 12拍子 」の曲がありますし、理論的には「 単純拍子 」の組み合わせ次第で無限大に拍子は生み出すことができます。
次回の目で見て耳で聴く音楽理論は、Section1「 楽譜と音符を学ぼう 」の第8回「 拍子もいろいろ、ノリもいろいろ 」( 後編 )です。
最後までお読みいただきありがとうございました。