「 RIDE ON TIME 」山下達郎
作詞・作曲 山下達郎
1980年5月1日発売
今回のイントロが無い名曲たちは、山下達郎の「 RIDE ON TIME 」を取り上げます。
「 RIDE ON TIME 」について
シングルバージョンとアルバムバージョン
「 RIDE ON TIME 」は、同名のアルバムに先行して7インチシングルで発売されました。
アルバム仕様はシングルバージョンに比べてテンポが速く、エンディングにアカペラが付け足されています。
マクセルのカセットテープのTVCMでも用いられ、ハナオの記憶ではそのコマーシャルで流れていたのはアルバムの方のアカペラ部分だったと思います。
また、のちのベストアルバムなどはすべてアルバム版が収録されているそうで、山下達郎自身がこちらを気に入っているのかもしれません。
達郎のコーラスはマジで絶品です
シンプルな構成
演奏時間はシングルが4分22秒、アルバムが5分8秒。
どちらもポップスとしてはそこそこの長さですが、曲のパターンは極めてシンプル。
歌はAとBの2種類のメロディ、間奏のサックスソロ部はⅡ-Ⅴのコード進行を4times、イントロは無いのでなんと全部で3パターンしかありません。
それなのに、なぜ曲の長さが4分にも5分にもなるかというと、サビの「 RIDE ON TIME~RIDE ON TIME 」の部分がシングルバージョンで8回、アルバムバージョンで9回も繰り返されるからです。
前文の「 ~ 」に当たる部分の歌詞はいろいろ変わっていても韻を踏んでいたりしますから、普通なら「 しつこい 」と感じて不思議はありません。
でも、そこは歌達者な山下達郎ならではの感動的なまでのフェイクで見事に聴かせてくれます。
80年代はテーマとなるモチーフを何度も繰り返す手法の全盛でした。
当時街角に林立していた貸しレコード屋でハナオがレンタルしたヒット曲も「 RIDE ON TIME 」ほどでは無いにせよ、こういう形式の歌が多かったですね~。
ヘビーゲージのスラップベース
「 RIDE ON TIME 」の演奏で目立つのはまずホーンセクション、次にピアノでしょうか。
しかし、サビのBメロに入るとベースが俄然主張しはじめます。
伊藤広規お得意のスラップ奏法で、細かいサムピングとミュート打法、ハンマリング・オン、そして弦を引っ掛ける方のプル。
この手の16ビートの曲はノリに任せてバック全体が軽くなりがちですが、テンションの強いゲージを張ったベースの重い音色が、浪間に漂う船のアンカーのごとくボトムをしっかり支えています。
2回目以降のAメロはシンプルなオクターブのスラップパターンです
山下達郎ベストCD
OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(通常盤)
余談ですが……
アルバムの「 RIDE ON TIME 」のジャケットがずっと気になっていまして。
山下達郎の全身写真、あれなんでポーズが内股なのでしょうかね?
他にもっと良い格好がいくらでもあると思うのですが。
ジャケットでも注目を集めるのが狙いでわざとこの写真を使ったということも考えられますが、山下達郎ほどの音楽性を持つアーティストがそんな姑息な真似しますかね~。
ハナオみたいな凡人に理解できるはずも無い理由でもあるのかもしれませんが。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。