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シャネルズ「 ランナウェイ 」英語版の歌詞がある理由とは?

「 ランナウェイ 」シャネルズ
作詞:湯川れい子 作詞・編曲:井上忠夫
1980年2月25日発売

 

今回は、哀愁ある歌声で人気のベテランシンガー鈴木雅之さんがメインボーカルを務めたドゥーワップバンド:シャネルズのデビュー曲「 ランナウェイ 」を取り上げます。

 

 

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日本中にドゥーワップを広めたシャネルズの「 ランナウェイ 」

ピアノを弾く人のシルエット

初めてシャネルズを歌番組で見たときは、違和感バリバリありました。

 

髪をポマードで固めたいかついおっさんたちが黄色と白のド派手なタキシード着て、しかもフロントの4人の顔は真っ黒!

 

「 靴墨を塗っています 」って、ひょっとしてコミックバンド?

 

しかし、いざ歌い始めたらそんな先入観はキレイに吹き飛ばされました。

 

キャッチーな歌詞、メリハリのあるメロディ、コーラスもトランペットも超格好良い!

 

一発で心を奪われておりました。

 

翌日、学校で同じ番組を見たと思われる同級生たちがあちこちで「 ランナウェ~イ~♪ 」のワンフレーズだけを発していたところからも、いかに黒塗りのおっさんたちのインパクトが強かったかわかります。

 

当然のごとく歌もヒットしシャネルズは有名になり、彼らのやっている音楽ドゥーワップは一役注目を浴びました。

 

連日のようにTV・雑誌で特集が組まれ、に匹目のドジョウよろしく類似バンドやグループもウヨウヨ現れてきました。

 

 

ところで、肝心のドゥーワップの定義ってなんだったけかな?

 

時間も経って記憶も薄らボケてきましたので、改めてググッてみました。

 

ドゥーワップとは50年代のアメリカで流行したR&Bの一種で、コーラスパートが「 ドゥーワッ 」「 ダッピドゥバ 」「 シャバダバダ 」などの言葉でリードヴォーカルをリズミカルにサポートする音楽なのだそうです。

 

そういえば、昔、松鶴家千とせさんもキャッチに「 シャバダバダ 」とか言っていましたが、おそらくあれはドゥーワップとは関係無いと思います。

 

わっかるかな? わかんねぇだろ~な~。

 

 

「 ランナウェイ 」はシャネルズのデビュー曲

アナログレコード盤

 

シャネルズは1980年から約2年半活動し9枚のシングルレコードをリリースしました。

 

この「 ランナウェイ 」がデビュー曲です。

 

個人的には後に改名した「 ラッツ&スター 」の方がずっと長く活動していたような気がしていたのですが、発売したシングルレコードの数は同じ9枚ずつで活動期間も1年ほどしか変わりません。あら、意外。

 

元々はこの曲、CMソングとして1コーラスのみ作られ、シングルカットのために手が加えられたとのことで、

 

そのCMはラジカセのものだったそうですがそんなのTVで流れていましたか?

 

覚えて無いなぁ……。

 

シャネルズ改めラッツ&スターのファーストシングル「 め組の人 」も資生堂のキャンペーンソングとして盛んにTVで流れていまして、こちらは当時美容部員の友人にマネキンの代用として顔にファンデーション塗られたりしていたおかげでしっかり覚えています。

 

なんて黒歴史だ……。

 

シャネルズもラッツ&スターもグループとしての音楽性をしっかり示していたゆえもありますが、どちらも出だしに名曲に巡り会えたことで運も味方につけましたね。

 

「 ランナウェイ 」は発売100万枚を超えるミリオンヒットとなりました。

 

 

シャネルズ「 ランナウェイ 」英語版の歌詞はなぜ作られた?

ロサンゼルスの夜景

 

シャネルズの「 ランナウェイ 」には英語版の歌詞が存在します。

 

作詞家は日本語版と同じ湯川れい子さんで、日本デビューの翌年1981年にレコード会社のご褒美のアメリカ旅行の折、ロサンゼルスの名門ライブハウス「 Whisky a Go Go 」に出演したのです。

 

 

 

歌詞は著作権の絡みもありますので引用は避けますが、意味を和訳されて詳しく説明さているサイトへのリンクを貼っておきます。

 

otokake.com

 

 

シャネルズ「  ランナウェイ 」5つのトリビア

1)「 ランナウェイ 」コーラスは難しい?簡単?

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若かりし頃にハナオは自分のバンドで「 ランナウェイ 」をコピーして、肝心の付けたしイントロは「 ワン、ツー、スリー、フォー、ジャジャジャジャン♪ 」の超手抜き編曲で、はい0点!

 

当時のバンドのヴォーカルは歌唱力がありましたのでマーチン( 鈴木雅之 )には及ばずともなんとか聴ける程度にまとめ、楽器の演奏もさほど難易度が高からずこちらも問題無し。

 

ところが肝心のドゥーワップのコーラスに偉い苦労しました。

 

ギター&ベース&キーボードが得手を掻き鳴らしながら喉を絞り上げるものの、リズムはぐちゃぐちゃノリはさっぱり、なにより各人の声質がブラックミュージックに合ってな~い!!

 

つまるところ、これだったらコーラスなんて無い方がマシの結論にたどり着き、いっそのことアレンジも変えちゃえで、もうそういうのはコピーとは呼べません。

 

のちに某大学のコーラス部にいた友人から、ドゥーワップのコーラスは易しい方だよと言われましたが、そうか~? ちっとも簡単ではなかったぞ~。

 

少なくともシャネルズが歌う「 ランナウェイ 」のコーラスに専念するのならまだしも、楽器を弾きながらの伴奏込みでこなすのはなかなかムズいと思います。

 

余談ですが、メインボーカルとしては、メロディの主音域がA3からE3までと狭く、たまに顔を出す最低音がE3、最高音もG4と歌い易い曲だと思います。

 

 

2)シャネルズ「ランナウェイ」はギター初心者向きのコード進行

アコースティックギター弾き語り

 

シャネルズの「 ランナウェイ 」はギターの弾き語り曲としても初心者向きです。

 

理由は、コード進行が簡単だから。

 

開放弦を使ったオープンコードが多いローポジション主体で弾く場合、人指し指を棒のように寝かせて弦を押えるバレーコードが厄介です。

 

「 ランナウェイ 」にも残念ながらワンコーラスに2箇所バレーコードが挟まってきます。

 

オリジナルキーのGをトニックコードにすると、8小節目に出てくるパッシングコードの「 D♭ 」と、26小節目の「 Cm 」。

 

あとの「 Cm  」は指のポジション移動も少なく、「 F 」や「 B♭ 」のようにローポジションでのセーハでも無いため、比較的押えやすいバレーコードだと思いますが、厄介なのが「 D♭ 」。

 

でもこれは裏ワザ( というほどでもありませんが )の、「 D 」のコードを押えたまま1フレットだけ低い方にズラす弾き方で対処できます。

 

文字だけだとわかりにくいかな~……コードダイヤグラムに起こしますか!

 

ランナウェイのパッシングコードダイヤグラム

 

「 あげるよ~ 」でコードが「G」から「D」に切り替わりそこではまだルート音の開放4弦は鳴らしたままにします。

 

そして8小節目の3拍目の「D」と4拍目の「D♭」は4弦は鳴らさず1~3弦のみをカッティング!

 

音を伸ばさずスタッカートで「 チャッ!チャッ! 」と短く弾けば、障りの良いパッシングフレーズで9小節目のコード「 C 」へとセンス良くつなげられます。

 

 

3)「ランナウェイ」は生田斗真主演の映画「シーサイドモーテル」の主題歌

映画ミニチュアのカチンコ

 

シャネルズの「 ランナウェイ 」は、2010年に公開された映画「 シーサイドモーテル 」( 主演:生田斗真 )の主題歌にもなっています。

 

守屋健太郎監督が脚本の執筆中に偶然この歌を聴き、麻生久美子さん演じるキャンディの気持ちを代弁するかのごとき詞に主題歌と決定したそうです。

 

映画のラスト、さわやかな朝を迎える場面のエンドロールで流れる「 ランナウェイ 」はピタリとハマり、懐かしさも手伝ってこみ上げるものがあります。

 

 

 

トリビア4)シャネルズのベスト盤で聴きたい「 ランナウェイ 」

シャネルズ、そしてラッツ&スターには80年代ポップスを語る上で聞き逃せない名曲がたくさんあります。

 

是非ベスト盤で彼らの素晴らしい音楽を堪能してください。 

 

 

最後に捕捉というか蛇足情報ですが、前述のシャネルズのフロント4人の顔に塗られていたのは靴墨などではなく、本当は黒いファンデーションなのだとか。

 

ハナオは随分後年になってからこの事実を知りました。

 

 

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。