前回の記事「 音楽初心者でもわかる長調と短調の違い徹底解説( 3 ) 」からの続きです。
もう少し「 音階 」の勉強が続きます。
「 長調 」と「 短調 」を決定する「 長音階 」と「 短音階 」をしっかり理解するためにも、頑張ってついてきてください。
「 長調 」と「 短調 」の「 音階 」の仕組み
ステップ6 「 音階 」と「 調性 」
「 長音階 」「 短音階 」共に、どの音からはじまってもピッチ( 音同士の間隔 )の並びは変わりません。
前回の例題に用いた「 きらきら星 」は、「 長調 」も「 短調 」もピッチの説明をわかりやすくするため、あえて白い鍵盤だけで演奏できる「 音階 」にしました。
「 長調 」では「 ド 」から曲がはじまり、「 短調 」では「 ラ 」から曲がはじまっていましたね。
では、「 短調 」の「 きらきら星 」も「 ド 」から曲をはじめてみましょう。
「 短音階 」のピッチを保ったまま、はじまりの音を「 ラ 」から「 ド 」までスライドさせます。
「 音階 」の中で、黒い鍵盤の音を使うようになりました。
上記のごとく、「 音階 」のはじまりの音を変える=「 音階 」をスライド( 移動 )させると「 調整 」が変わります。
「 調性 」とはいわゆる「 キー 」のことで、カラオケで「 + 」や「 - 」ボタンを押して変える「 キー 」と同じ意味です。
「 音階 」は、白鍵・黒鍵問わず、どの音からでもはじめことができ、どの音からはじめても「 音階 」のピッチは一緒です。
例えば、上の図の「 ラ 」からはじまる「 短音階 」は「 イ短調 」( キー、Am )で、「 ド 」からはじまる「 短音階 」は「 ハ短調 」( キー、Cm )となります。
まだ「 何短調 」とか「 Am 」の意味はわからないままで構いませんが、
1)どの「 調性 」であろうと「 音階 」の「 ピッチ 」は変わらない
2)ひとまず「 調性 」のいかんで、「 長調 」と「 短調 」の聴き取りに差し障りは生じない
今はこの2点だけご理解いただければ十分です。
「 長音階 」と「 短音階 」異なっている音は3つ!
では、同じ「 ド 」からはじまる、「 長調 」=「 長音階 」と、「 短調 」=「 短音階 」の「 きらきら星 」を聴き比べてみてください。
「 長調 」の「 きらきら星 」
「 短調 」の「 きらきら星 」
両曲を楽譜にしたのが下の図です。
わかりやすいように「長音階」と「短音階」で音の高さが変化する音符に、それぞれ「 青 」と「 赤 」の色を着けました。
なお、「 短調 」の方は赤い音符の前に記号の「 ♭ ( フラット ) 」が付いています。
これは前に付いた音を半音下げる「 変化記号 」ですが、同じ小節内ではずっと有効なので、2小節目の「 ラ 」も3小節目の「 ミ 」も2つ続いているどちらの音も半音下がることになります。
では、「 長音階 」と「 短音階 」を低い音から順に「 ドレミファソラシド 」で1オクターブ並べたものを、楽譜と音で確認してください。
「 長音階 」のドレミファソラシド
「 短音階 」のドレミファソラシド
はい、これが結論です!
曲が「 長調 」か「短調」かを聞き分けるには、つまり曲中で色が異なっている3つの音符のどちらを使っている「 音階 」の曲なのかがわかれば良いのです。
簡単でしょ?……理屈では( 笑 )
理屈を頭ではなく、耳に覚え込ませるため、 次回からまたケーススタディです。
最期に……今まで散々「ド」からはじまるだの「ラ」からはじまるだの書いてきましたが、音楽理論では「 音階 」がはじまる最初の音を「 主音 」または「 第1音 」と呼びます。
これからの各種項目の説明に用いますので覚えておいてください。
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音楽初心者でもわかる長調と短調の違い徹底解説( 5 )に続きます。