反撃編も中盤に差し掛かり、第1章でバラ蒔かれた伏線が徐々に回収されつつある「 あなたの番です 」。
「 夏祭りの夜に犠牲になるのは誰だ!? 」と、久々のサイコシーンに盛り上がる視聴者の期待を裏切り、まさかの誰も死なない結末に驚きつつなんだか拍子抜け……でもハラハラはさせてもらえたし、やっぱり面白かった!
予告篇を見た限り、最後に駅のホームから突き落とされた黒島沙和(西野七瀬)も電車に轢かれずに済んだみたいですし……。
視聴者は彼女の背中を押したのは尾野幹葉(奈緒)に断定しているようですが、さてそんな素直に信じてしまって大丈夫ですか?
また秋元マジックにハマッていませんか?
まずは、美男・美女カップルと、彼らを取り巻く複雑な五角関係から考察し、そして犯人を探してみます。
- どーさんと黒島ちゃんは本当にラブラブなのか?
- まずは五角関係のまとめ
- すべては沙和の計略どおりか?
- 沙和をホームから突き落としたのは尾野ちゃんでは無い
- 忍はすべて見破っている
- すべての黒幕は沙和なのか?
どーさんと黒島ちゃんは本当にラブラブなのか?
イケメンで若くて腕っぷしも強く、そのうえ頭脳明晰な役回りで女性の心を鷲掴みのAI探偵二階堂忍(横浜流星)。
多少言動が粗野だったりサプリ一辺倒の偏食主義も却って人間味を際立たせると、あばたもえくぼのモテッぷりですが、そんな彼が初対面から沙和に興味を持ちます。
理由は、“彼女の匂いが気にならない”から。
手塚翔太(田中圭)は能天気にも、それは恋愛感情の為せる術だと言い切ります。
のちに、フィボナッチ数列で盛り上がったり、大学からの帰り道を共にしたりと、いかにもな描写がカットインされてきます。
第14話でも夏祭りに出かけて足を挫いた沙和を忍がおぶったり、恋愛モードは着々と進行しているかのように見えます。
ハナオも前回までは2人の心が近づいていくのだろうと思っておりましたが、ひょっとしたらとんだ勘違いをしているのかも、と考え直すようになりました。
今回は、ふたりの間に凄まじい駆け引きの火花がバチバチと散っているのが観てとれたからです。
まずは五角関係のまとめ
忍と沙和の育ちつつある?恋愛関係には、更に3人が複雑に絡み合っています。
まずは現状で見えている表向きの関係を絵で表してみました。
“他人の男は私の男”と狂気のジャイニズムの持ち主・尾野ちゃんは、忍と沙和の間に流れる微妙な空気をいち早く察知して、早速割り込みモードをONにしました。
スイッチが入った瞬間にタラーリと鼻血を流す、センスに溢れる強烈な描写が素晴らしい!
これってもしかして映画「 バレンタイン 」のオマージュでしょうか?
忍にロックオンした尾野ちゃんにとって、沙和はもう菜奈(原田知世)同様排除の対象でしかなく、いかなる手段を講じてくるのかと考える暇も無く……(以下次項に続きます)。
第1章でしつこく追い回していた翔太には既に興味はありません。
菜奈が死んでしまい、もう“他人の者ではなくなったから”。
今回の住民会で、以前とはまるで別人のごとき翔太への対応にドン引きした方も多いと思います。
そしてもうひとり、沙和の後ろをベッタリと付いて回る謎の男・内山達生(大内田悠平)。
今のところ行動はただのストーカーで、彼の目的が何かは判然としません。
すべては沙和の計略どおりか?
普通に見て取れば、彼ら5人の間に行き交うベクトルはすべて恋愛絡みに思えます。
しかし、これらは全部沙和が思惑を以って誘っているのではないでしょうか?
以下、その理由を挙げてみます。
気になる髪の匂い
まず忍がしきりに気にしている沙和の髪の匂い。
これは沙和の仕込みであると想定します。
同じ大学に通っている忍の身上を調べ上げるのはさほど難しいことではないはずです。
彼が他人の匂いに嫌悪することを知り、彼が唯一嫌がらない匂いの持ち主=彼自身に近い香りの化粧品を見つけてそれを用いる……沙和が普段から籠絡の手段として香り作戦を実行しているとすれば、それほど難しい所業ではありません。
フィボナッチ数列
上の説が正解もしくはそれに近いとすれば、共通の話題になるフィボナッチ数列を持ちだして親近感を深めようと憚ったとしても納得できます。
一般的な恋愛成就の手段としても、必勝パターンの常道です。
学校から仲良く帰宅
忍と偶然キャンパスで出会ったように装ったのも計画のうちと考えます。
同シーンで登場のストーカー内山くんは沙和の手駒のひとつで、自由に操れる彼の影をちらつかせ、忍をボディガードに仲良く帰宅する理由を作りました。
エレベーターで尾野ちゃんを操る
正直申しますと、前回までの上記3点に関してはハナオもただただボーッと「イチャイチャできていいなぁ~」なんて、食べかけのポテトチップスを指でつまんだままヨダレ垂らして素直に羨ましがっているだけでした。
ところが第14話で尾野ちゃんと3人で乗ったエレベーターで、沙和がわざわざ忍にボディガード送迎のお礼をしたときに「おやっ?」と思いました。
送迎のくだりは2人だけの秘め事なので沙和も多くを語りませんでしたけど、尾野ちゃんにはしっかりバレてしまいました。
……というより、沙和が故意で尾野ちゃんに気づかせているようにしか見えませんでした。
尾野ちゃんの勘の良さ・思考・嗜好・行動パターンまですべて見越したうえで、沙和が彼女を思い通りに誘導した、と言った方が正しいかもしれません。
下駄の鼻緒が切れる~おんぶの必殺コンボ
沙和が忍を夏祭りに誘い出してからも、事は彼女の狙いどりに動いていきます。
ふたりっきりでいるときに下駄の鼻緒が切れたのも彼女の細工とします。
足を挫いて歩くに難儀しているように思わせて、まんまとおんぶ。
ただのお祭りデートをたっぷりと脚色し、忍を骨抜きにせんがための沙和の必殺コンボが炸裂しました。
駅のホームで危機一髪!
足を怪我してお祭りデートはここまで。
忍に家まで送らせて足の治療と着替えを済ませた沙和は、ここで“死んで欲しい人”の名前を書いた早川教授から呼び出しを受けたと告げて忍と別れます。
これもすべて計画どおり。
そして作戦のシメ。
大学に向かう電車を待つ駅のホームで誰かに背中を押され、沙和は線路上に転げ落ちます。
迫りくる電車のライト、哀れ沙和はバラバラに!
……と、ここで本編は終わり予告編に移ります。
どうやら沙和は殺されずに済み助かったようです。
沙和をホームから突き落としたのは尾野ちゃんでは無い
さて、上のとおりの妄想とも思える推理が的を得ているとしたら、沙和の背中を押したのは誰なのか?
視聴者のほとんどは当然犯人が尾野ちゃんだと思います。
それこそが怪しい!
少し論点がズレますが、そもそも今回第14話では「誰かが夏祭りに犠牲者となる」と前振りが為され、それが誰になるのか散々考察されてきました。
先週は参議院選挙の特番が入ったため、まるまる2週間首をキリンさんのように長くして待ち続けていました。
ストーリー後半で、大方の想像どおりのサイコパス少年だった榎本総一(荒木飛羽)が実験のため北川そら(田中レイ)を連れだし、息子の止められぬ凶行に絶望した早苗(木村多江)がヤギでも無いのにティッシュをバカ食いして自殺を図ります。
神出鬼没の殺人鬼の割には手で首を絞めるというあまりにも単純な方法でそらを抹殺中の総一、やっぱりヤギさんじゃなかったのでティッシュを食べきれなくて白目を剥いて昏倒する早苗ママ。
犠牲者はどちらだ?ひょっとして今回は2人死ぬのか?
視聴者の思考は目まぐるしく回転し、息絶えるその瞬間を待ちます。
ところが、風前の灯だった2人はどちらも一命を取り留めてしまいます。
そこに被ってくる電車待ちの沙和のカット。
忍び足で後ろから近寄ってくる謎の人物、迫りくる電車、背中を押されて落ちる沙和。
なんと、犠牲者とは以前の記事で予想一番人気だった沙和だったのか!?
夏祭りのときから飴で口周りをベトベトににしつつ狙っていた尾野ちゃんが沙和を殺さんとしたと誰もが思う、畳み掛けるような巧みな演出です。
だからこそ、これがミスリードを誘っている展開だろうと天邪鬼に考えてしまいました。
沙和の背中を押した犯人は尾野ちゃんではない!
騙されるものか~。
忍はすべて見破っている
だとしたら、駅のホームで沙和の背中を押したのは誰なのか?
犯人はストーカーを装った実は沙和のしもべの内山です。
もちろん指示を出したのは沙和、つまり自作自演です。
なにゆえそんな危ない真似をしたのか?
理由は目眩ましのため。
前述の沙和の忍に対する種々の工作は、彼の才覚を恐れるがための眩惑戦法の一貫だったのですが、初手の髪の匂い作戦の際に逆に忍に目を付けられてしまいました。
ですから、以降の落とし戦術もすべて見透かされています。
第14話の住民会に於いて、田宮淳一郎(生瀬勝久)が沙和の顔色を窺いながらスタンスを変えている様子を、忍は見逃すこと無く確認していました。
田宮が沙和を恐れるような素振りを見せはじめたのは、第1章第3話でマンション中に防犯カメラを取り付け、それで何かを観てしまってからです。
忍はあっと言う間にその違和感を観てとったのでしょうね、さすがイケメン(関係ないか)。
忍は沙和にのぼせてなどいません。
しっかり疑ってかかっています。
沙和がどこまで忍の慧眼を察しているかはわかりませんが、策を弄して盲目の恋に落とさんとしている、こんな風に思えて仕方ありません。
すべての黒幕は沙和なのか?
なにゆえハナオがこれほど沙和を信じなくなったのかは、たったひとつのシーンに依ります。
今回のラスト、駅で沙和が電車を待つ場面。
カメラに向かって正面を向いた沙和の目がほんのわずかに細くなり、一瞬それが笑みを浮かべたように見えたのです。
西野七瀬さんの女優としての演技力が卓越しているとは思えませんが、もしあの笑みが監督や演出や彼女自身が意図した演技だとしたら称賛ものです。
黒島沙和が心の奥底に秘めた氷のような冷たさが垣間見えたようで、思わずゾワッとしました。
彼女が「あなたの番です」のメインテーマである交換殺人ゲームすべての黒幕であるかはわかりません。
でも、見た目通りの純真で真面目な女子大学生でないことが、今さらながらわかってきた気がします。
ということで、ハナオの推察による真の五角関係は下図のようになります。
当たってるのかな~、とんだ見当違いだったりして……。
?
ところで、「反撃編」では誰も死なせないことにしたのでしょうか?
し、刺激が欲しい!
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