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眉村ちあきは天才なのか?即興ソングの歌詞からわかった人気の秘密

即興ソングは難しいです。

 

最初の何曲かは気の利いた歌が作れたように思えても、数をこなしていくうち次第に似たような歌ばかり並んでしまうことが往々にしてあります。

 

即興でなく推敲を重ねて作った歌でもこの傾向が現れるのは常ですが、手癖やルーチン・引き出しの中身がモロにさらされてしまう即興ソングなら尚のことです。

 

打開する方策は2つで、ひとつはとにかく勉強を重ねて引きだしの中身を増やすか、あとはセンスが枯渇しない天才になるか。

 

最近注目の人気アーティストとして取り上げられる機会が多い眉村ちあきさんは、即興ソングに関しては天才なのだそうです。

 

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羨ましい限りですが、噂どおり本当に天才なのかなぁ。

 

特に賞賛の声が多数あがっている歌詞をメインに、即興ソングシンガーの視点から眉村ちあきさんの音楽を検証してみました。

 

 

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眉村ちあき即興ソングのメロディとコード進行

おそらくここに“眉村ちあき”さんの検索ワードでいらっしゃってくださった方のほとんどにとって音楽理論の話なんか退屈なだけでしょうから、ここはサラッと流します。

 

即興で歌を作っているとき、彼女ならずとも脳内は語彙の発掘と順列決定でフル回転しているはずです。

 

旋律や和音ごときに分け与える思考力は残っていないと思われます。

 

眉村ちあきさんが完璧なロジックの持ち主であればまた話は別ですが、エンタメネクストのインタビュー記事でも「 ギターのコードを知らない 」と話されていましたので、理論派コンポーザーには該していないと思われます。

 

entamenext.com

 

ですからメロディは本能、コードは手癖で賄っているのでしょう。

 

ハナオが彼女の即興と言われる歌を何曲か聴いた限りでは、その法則からはずれてはいないと感じました。

 

メロディ・コードともどの音・和音を選択するかは、歌っている本人が心地よいと思われる方向を基準とし、それを見定めるのがセンス・そちらへ寄せていくのが作曲テクニックです。

 

眉村ちあきさんは、そのセンス・テクニックの両方を兼ね備えていて、瞬時に適応させることができています。

 

一方、譜割りには一貫性が無く、パターンやプログレッションやスケールが等閑になるのは即興ソングならではの性で仕方がないといえます。

 

 

眉村ちあきは本当に天才なのか?

“トラックメーカーアイドル”と自称するだけあって、眉村ちあきさんの個性が際立つアレンジやプロモーション・プロデューススキルも語るに外せない項目ですが、これらは別の機会に改めて取り上げるとして、さて歌詞の分析です。

 

即興ソングは、作詞に充てられる時間がほぼゼロゆえ反射的に言葉を選ばざるを得ず、従って以下のような傾向が見られます。

 

1、比喩やダブルミーニングが乏しい

2、韻の踏襲、倒置法が無い

3、文節の言葉数が不一致

4、文が冗長でケバが多い

5、人称代名詞が少ない

 

これらの詳細についてもいずれ詳しく取り上げます。

 

もし、1~5のすべてを凌駕できる即興ソングライターが現れたとしたら、その人こそが“真の天才”でおそらく音楽史に名を残せます。

 

眉村ちあきさんの即興ソングは上記がそのままスッポリ当て嵌っています。

 

“即興ソングあるある”がまんま該当してしまう人を“天才”と称するのはさすがに抵抗がありますが……。

 

ところが、上記および前項の即興ソングの呪縛に囚われつつも聴く人の予想を超えた感動を与えられるのが、実は眉村ちあきさんの本当の凄さ

 

その秘密はある条件下の元で確たる“型”を持ち、それをアプローチとして使いこなせる柔軟さにあります。

 

 

眉村ちあきの即興ソングの秘密は“型”

 

一般的に、作詞は漏れなく以下の工程を踏んでおこなわります。

 

1)プロットの決定

2)ボキャブラリーの選択

3)リリックへの編製

 

プロットとは題材のことでいわゆる歌のテーマです。

 

「 恋人との別れの場面 」とか「 空を自由に飛びたいな 」とか「 壊れたコカコ○ラのスリッパ 」とか「 ゲロ 」とか……(笑)

 

ボキャブラリーは単語とします、「 ドラえもん 」とか「 すてきなポッケ 」とか「 タケコプター 」とか……。

 

リリックの編成とは、ボキャブラリーの整列と隙間の穴埋めのことで、つまり文章への変換です。

 

そして、前項に書いた眉村ちあきさんの“型”の条件とは、まずプロットが応援歌であること。

 

人を慰め、癒して励まし、勇気を与える。

 

同シチュエーションで生み出してくるワードセンスのキレは、そんじょそこらの22歳の女の子が為せる芸当ではありません。

 

うむ、少なくとも語彙選択に関しては、ある種“天才”であると言えなくもないか。

 

そのようにしてせっかくキレのあるワードセンスでボキャブラリーを選択しても、これを小手先のテクニックでこねくり回して聴く人に感動を呼び起こそうとする作詞家・シンガーは案外多くいます。

 

しかし眉村ちあきさんはそんな小狭しいリリックの編成はしません。

 

ハートへとストレートに響く話し言葉で打ち込んできます。

 

いっつも。

 

この“型”こそが眉村ちあき即興ソングの人気の秘密です。

 

もし“型”を意識せずに身につけていたとすれば、やっぱり眉村ちあきは“天才”か。

 

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今回は、眉村ちあきさんの即興ソングの観点から検証しました。

 

“天才”か否かの結論は、もったいないので先送りとします。

 

彼女は今後間違いなくブレイクして、もっともっと知名度を上げてくることでしょう。

 

応援させていただきます!