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「この曲のサビ」のサビって何?音楽理論的意味と語源を考える

前回記事では「 関ジャム 完全燃SHOW 」で注目アーティストに選ばれた杏沙子さんについて取り上げました。

 

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杏沙子さんの歌「 花火の魔法 」は異なりますが、特に最近のJ-POPはサビがどの部分かわかりにくい歌が増えたように同番組を観ていて改めて思いました。

 

曲の展開から次にサビが来ると思っていると透かされたり、サビだと思って聴き続けていたらその後に本物?のサビが来たり……。

 

好みや是非は置いておいて、作曲・編曲者の個性に訴えかける手段としてはなかなか有効で、ある種流行りの傾向とも捉えられます。

 

ところで、そもそも サビって何でしょう?

 

昔、音楽仲間に「 ハナオはサビ=Cメロって考えてるだろう? 」と言われたことがあります。

 

はい、正解、見抜かれてますね~。

 

もちろん“サビ=Cメロ”は短絡的すぎ、こちらの方は音楽理論的回答としては不正解です。

 

今回は、サビの本来の意味とその語源について考察いたします。

 

 

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「 サビ 」の意味とは?

「 サビ 」は概ね、曲の最も盛り上がる部分=メインモチーフとなるフレーズを含む部位を指して言われます。

 

聴く人に曲の顔として印象づける役目も担っています。

 

わかりやすく言えば、「クイズ!ドレミファドン」のイントロクイズで正解が出たときのMCの歌の解説の際にバックで流れている部分、そこがサビです。

 

例として前回記事でも取り上げた松田聖子さんの「 瞳はダイヤモンド 」をパートごとに色分けしてみました。

 

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drawn by HANAO



 椎名林檎、平井堅、スピッツなど多くの有名アーティストを手掛けた音楽プロデューサーの亀田誠治さんによればサビの三要素とは
1)高い音
2)長く伸びる音
3)リフレイン(繰り返し)
だそうです。

 

なるほど、納得。

 

 

「 サビ 」は英語で何と言うのか?

さて、この「 サビ 」を英語で何と言い表すかについてはいくつかの説があります。

 

ひと昔前は「 Bridge 」がサビの意だとされていました。

 

元々「 Bridge 」は、単純な2部構成の曲などで、メインモチーフではない方のパターンを“橋渡し”的な意味合いでそう呼んでいました。

 

今でいうサビに相当する英語の呼び名が無かったこともあってか、「 サビ 」=「 Bridge 」であり、だから日本語のサビも昔はA-Bパターンの曲でのBメロのことだった、という結び付けがなされていました。

 

この手の、なんでもイコールで結びつけないと気が済まない質はいかにも日本的で、いくらなんでも同説はかなり強引なこじつけ論だと思われます。


次に「 Chorus 」がサビの英訳とする説があります。

 

英語圏のポピュラーソングに端を発した「 Verse - Chorus 」形式の音楽から、その曲のもっとも盛り上がる部分が「 Chorus 」である、だからサビは「 Chorus 」だというものです。

 

意味合い的には、Bメロがサビ説より近いと思います。

 

単純訳とは異なりますが、「 Verse 」は「 聴かせる訴えかけ 」、「 Chorus 」は「 ノセる煽り 」で、元は編曲上で対となる二部構成の大まかな考え方でした。

 

ですから、Aメロ・Bメロ・サビという編成が日本独自の音楽文化による分別をまんま英語圏の用語に置き換えると齟齬が生じます。

 

1センチ刻みの定規でミリメートルまで測定してる、みたいな。

 

それでもあえて英訳するならば「 Chorus 」が相応しいとは思いますが、「 Chorus 」は別の意味の音楽用語で多用されているので煩わしくもあります。

 

 

「 サビ 」の語源はあの薬味

サビが日本独自の音楽文化から発生した言葉であるなら、その語源は何なのでしょう?

 

詳細な由来に関しては不明らしいのですが、一応2つの説があります。

 

その1)「 寂声 」由来説

「 寂 」=“わび・さび”の「 さび 」です。

 

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日本古来の美意識文化として、「 質素で静かなたたずまい・雰囲気 」を表す言葉です。

 

「 寂声 」はそこから派生して、渋く低い枯れた声のことを言います。

 

昔のシンガーは聴かせどころでより一層低く唸っていたのかな?

 

先述のとおり、現代のサビは、高く伸びる音が定義とされているので意味合い的には反対になります。

 

純日本的で趣があって良いのですけど、「 寂声 」→「 サビ 」の派生の線は弱いかな~。

 

その2)「 わさび 」由来説

薬味でお馴染みの野菜のことです。

 

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料理で“さびを効かせる”は、あの鼻にツーンと抜ける風味をより生かすという意味ですが、音楽でも同様に刺激的なフレーズやパターンを“さびが効いている”と転用していました。

 

実際にハナオの周りでもこの用法で“さびが効いている”を何度か耳にしていたような気がします。

 

こちらの「 さび 」はスパイスとして旋律や編曲に工夫を凝らすの所作であり、現代音楽の「 サビ 」とは意味が異なります。

 

でも、音楽隠語から隠語へと派生した類似例はほかにもありますので、こちらの「 わさび 」由来説は有力ではないかと思われます。

 

いずれにしてもソースが足りない!

 

ですから、あくまでもハナオ個人的な感想と思い込みです。

 

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。