昨日は“ディズニークリスマス”で華やぐ東京ディズニーランドに行ってまいりました、ハナオです。
ディズニーの話はまたいずれアゲるとして~……。
今晩、地上波では2度めの「 シン・ゴジラ 」が放映されますね。
劇場に行かずDVDもブルーレイもレンタルしなかったハナオは、前回の放映で初めて観て衝撃を受けました。
とってもエヴァンゲリオンな作りではあるけれども、作品自体は近来稀に見る良作怪獣映画じゃないか!!
ということで、今回の音のブログでは「 シン・ゴジラ 」視聴時に注目した、劇中の音楽について取り上げてみたいと思います。
なお、ネタバレを含みますので、映画をまだご覧になっていない方は鑑賞後にお読みいただきますことをお勧めします。
「 シン・ゴジラ 」で流れている曲名と解説
オープニング ~ シン・ゴジラ最初の上陸
実は「 シン・ゴジラ 」、映画開始から15分までは一切音楽が挿入されていません。
オープニングのタイトルバックで昭和第一作目の“元祖”「 ゴジラ 」と同じ足音と鳴き声が入っているので、脳内補正であの有名な「 ゴジラ 」のテーマが挿入されているような気になっている方は結構多いのではないでしょうか?
最初に音楽が流れてくるのは、お目目クリクリで地を這うように歩く人気者の通称蒲田くんが上陸したときの「 Persecution of the masses (1172) 」。
「 新世紀エヴァンゲリオン 」関連の曲のメインライター鷺巣詩郎さんの作品です。
ちょっと聴きではわかりにくいのですが、分散和音の中に「 ゴジラ 」メインテーマのメロディがさりげなく練り込まれています。
蒲田くんが上半身をムクリと起こし品川くんへの進化する際のBGM「 ゴジラ上陸 」は、“元祖”「 ゴジラ 」が暴風雨の中で大戸島へ上陸して民家などを破壊するシーンで流れる音楽がモチーフになっています。
非常に狭いインターバルの中で上下動を繰り返す旋律が、“元祖”では正体不明の生き物が暗闇の中で不気味に動き回る様子を、「 シン・ゴジラ 」では生体組織がウネウネと躍動しながら変態していく様を見事に表現しています。
巨災対結成 ~ シン・ゴジラ再上陸
甚大な被害をもたらしたシン・ゴジラの殲滅を目的とし、“首を斜めに降らない骨太な連中”を集めて作られた、巨大不明生物災害対策本部こと巨災対。
彼らの最初のミーティングルームで使われているのがエヴァンゲリオンの「 Decisive Battle 」。
緊迫感を煽るティンパニーの使い方が印象的なこの曲は、フジテレビで放映されていた「 ほこ×たて 」の“対決のルール”の場面など、テレビやラジオで頻繁に使われています。
一旦は海に消えたゴジラが鎌倉さんへと姿を変え再度上陸するシーンで流れてくるのが、映画「 キングコング対ゴジラ 」の劇中曲、そして「 メカゴジラの逆襲 」へと続きここで初めてあのメロディが流れてきます。
「 ゴジラ 」のテーマ曲は何分の何拍子?
伊福部昭作曲、あまりにも有名な「 ゴジラ 」のテーマ。
タクトを振るに困りそうなこの変拍子の曲、メインモチーフの部位は……
4分の4拍子 + 4分の5拍子 を3回繰り返し、
そのあとに 4分の4拍子 を3回
この13小節で構成されています。
同曲は元々、伊福部氏が「 ゴジラ 」から遡ること6年前に作ったクラシック曲「 ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲 」からの流用です。
全身鳥肌もののゼクエンツ
なんでまたこっちにやって来るのか?なんか知る由も無く、東京に帰ってきたシン・ゴジラは自衛隊と米軍の攻撃を受けついに禁断の大技、無差別レーザー砲撃を繰り出します。
圧倒的な破壊力を以て周囲を火の海に変えるシン・ゴジラ。
実はハナオ、「 シン・ゴジラ 」のこの所業を前もって聞き及んでいたがゆえ視聴を避けていました。
ゴジラといえばやっぱり口からブオーッ!が絶対でしょ、尻尾や背中からも熱戦を出すなんてそんなのゴジラじゃないやい!!
ところが実際にそのシーンを観たときには、震えと同時に感動すら覚えました。
音楽の選択がエグイ!
フィーメイルのソプラノボイスにストリングス・男性コーラスによるゼクエンツが素晴らしい。
ゼクエンツとは、バロッククラシック音楽に多く見られる反復進行のことです。
絶望的なシーンに響く悲しくも美しすぎるハーモニーとメロディ、完全にノックアウトされてしまいました。
シン・ゴジラ劇伴音楽集
人類の反撃開始 ~ エンディング
廃墟と化した都心から拠点を移した巨災対と人類の反撃がはじまります。
ヤグチプランから発したヤシオリ作戦でゴジラを行動不能にすべく一斉攻撃が開始。
1959年に上映された「 宇宙大戦争 」のテーマがワクワク感を盛り上げます。
エンディングのスタッフロールでは過去のゴジラ作品のオリジナル音源のメドレーが流れ、改めて劇中BGMに別バージョンが使われていたことに気づきます。
いろいろ解釈はありますが、ハナオは「 シン・ゴジラ 」は“元祖”「 ゴジラ 」を含む過去作品のオマージュではあるけれど、あくまでもオリジナルテイストによって生まれ変わった“別物”であることの念押しだなと感じました。
はい、こっち( の曲 )が昔の作品、さっきまで観ていたのは( 自分が作った )別の作品ね、みたいな……。
?
さてさて、今晩もあちこちでバズるのでしょうね~「 シン・ゴジラ 」。
是非劇中音楽にも耳を傾けて、平成怪獣映画の傑作をお楽しみください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。