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ノーサイドゲーム第1話・ストーリーを引き立てる演技力と心憎い演出

TBSが誇る最強ドラマ枠、日曜劇場にて、池井戸潤先生原作の「 ノーサイドゲーム 」の放送が開始されました。

 

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www.tbs.co.jp

 

本業と一部職種が被った「 下町ロケット 」はドハマリしましたが、ラグビーはボールの形しかわからない素人のハナオも楽しめるのか?気になるところです。

 

まずは初回は定番の拡大スペシャルの第1話を視聴した感想を、あらすじを辿りつつ認めてみたいと思います。

 

 

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勝負に負けて飛ばされた

舞台は2017年東京丸の内。

 

トキワ自動車本社の経営戦略室次長の君島隼人(大泉洋)は、次期社長の呼び声が高い滝川桂一郎(上川隆也)の企業買収案に真っ向からタテをつき、結果府中工場の総務課に飛ばされてしまいます。

 

試合に勝って勝負に負けた君島の工場初出勤、押して歩く自転車に付いたチャイルドシートがしょぼくれた背中とベストマッチング。

 

もの悲しさを醸しつつ大泉洋さんならではの愛らしさも引き立てていて、なるほどこういう効果もあるのかと、チャイルドシートの演出に感心してしまいました

 

上手いなぁ~。

 

このとき、トキワ自動車の府中工場がバードビューで映されていますが、いかにも 府中っぽい と感じたこの場所、調べてみましたらどうやらロケ地もしっかり府中で、東芝の府中事業所のようです。

 

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つまりは左遷されてきたにも拘わらず、府中工場の社員たちは総出で大歓迎。

 

思わぬ歓待に狼狽える君島でしたが、当工場の総務部長は同社のラグビー部・アストロズのゼネラルマネージャー(以下GM)を務めることになっていたがゆえ、期待されての赴任だったのです。

 

胴上げまでされて気分が良くなった君島は断ることもできず、一応承諾。

 

思いもしなかった夫の役回りに早合点した妻の真希(松たか子)はビックリ。

 

「 えっ、ラグビーやるの、あなたが!その体で!……死ぬの? 」

 

そりゃもっともな反応だ(笑)

 

ハナオだって明日からラグビーやれって言われたら「 死にたくありませんから 」と断るでしょうしね。

 

 

問題山積のGM就任

お祭り騒ぎで盛り上がっていたかに見えたアストロズでしたが、ラグビー未経験で本社から転げ落とされてやってきた君島に対して、選手たちは不信感を拭いきれませんでした。

 

一方の君島もラグビー部がトキワ自動車の金食い虫的存在であることを知って、たちまちやる気が失せてしまいます。

 

なにせ予算が1,403,128,000円、収益はわずかに330,900円で、年間1,403,094,100円の赤字。

 

365日で割ると、1日あたり38,440,956円をドブに捨てている計算になります。

 

もっとわかりやすくすると1時間で1,601,706円、1分だと26,695円、毎秒444円が煙のように消えていきます。

 

同じ時間帯に勤務している東京ディズニーシーのキャストの半分の時給が賄える……と言えば理解していただけるかな?

 

かえって迷宮にハマりましたね、すみません。

 

でもこういうふざけた計算も大泉洋さんがするならハマってくれそうな気もしますが。

 

すっかりラグビー部GMの務めが重荷になった隼人に、更に覆いかぶさってくる予算獲得と新監督の人選問題。

 

お金の管理には元々長けている君島は、アストロズの予算をざっくり削るという冷徹な判断を下します。

 

収益の過小はさておいても、現実的に会社への貢献は無いに等しく、そればかりか部員の仕事ぶりも満足とは言い難く、君島に正論を並べ立てられた彼らと親派の社員は反論ひとつできません。

 

食い下がる佐倉多映(笹本玲奈)に言い放った君島のひとこと。

 

「 私はラグビーが嫌いだ 」

 

ドラマのスタートコンセプトはここにあるのだなぁ……などと思うのが素直な視聴者目線。

 

でもハナオは、大泉洋さんという人は変幻自在だなぁという妙な感想を抱いて観ていました。

 

単に演技力の高い俳優ならいくらでもいますけど、大泉さんならではのフレキシビリティに富むハマリ具合、アクは強いのに嫌味の無い演技に引き込まれます。

 

 

シビれまくりのタイトルインサート

後日、滝川に呼び出された君島は、取締役会議でアストロズの今後の運営方針に対する意見書の提出を求められます。

 

いかにも挑戦的で高飛車な滝川の態度に、それまではアストロズの廃部を考えていた彼の反骨精神がムクムクト頭をもたげます。

 

君島の中で何かが変わった!

 

その心境の変化が視聴者にも伝わります。

 

ドラマ開始から20分も経ったここでやっと挿入される「 ノーサイドゲーム 1 」のタイトル。

 

うわ~~、シビれる~~~、なんという上手な演出なのでしょう。

 

煽られた高揚感がハンパありません。

 

凄い、このドラマはやっぱり凄いぞ。

 

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ラグビー嫌いの理由は失恋?

しかし、君島の真価が発揮されるのはまだ先の話。

 

彼がまずが始めたのは、部員の練習や行動をつぶさに観察してつける通称“嫌味ノート”。

 

そのおこないは部員達には粗探しをしているだけと思われていましたが、君島は社内に潜む問題点を洗い出し、部員たちの抱える苦悩や部運営の実情を知ることになります。

 

社内のラグビー部に理解を示しつつある君島でしたが、ラグビーは本当に嫌い

 

その訳は、大学時代の同級生の有名ラグビーに対するやっかみ……実は憧れていてマドンナを彼に奪われた失恋の恨みがあったからでした。

 

根幹にある嫌悪の気持ちを抑えつつ、徐々にラグビー部に情が傾きかける君島でしたが、総合的に判断してやはり廃部が相応しいと意見書に記さざるを得ませんでした。

 

 

アストロズに未来は無い

いきなりラグビーがやりたいと言い出した息子で長男の博人(市川右近)に教授するため、君島は初めてラグビーに挑みます。

 

ひょっとしてここで開眼するのか!?という視聴者の期待も空しく、君島はタックルバッグに一発で吹き飛ばされてあえなく引き下がります。

 

あ~、あの倒れ方は後頭部を打つパターンだな、脳震盪を起こさなくてなによりでした。

 

肩を怪我してぶちぶち愚痴る君島は、グランドに現れた社長の島本(西郷輝彦)に部の実情を正直に伝えます。

 

すると島本はラグビーニュージーランド代表オールブラックスの試合前の儀式ハカの意味を話します。

 

私は死ぬ、私は生きる……

 

命をかけて今を戦うラグビーの素晴らしさを説く島本、しかし君島が返した答えは「 アストロズに未来はない 」でした。

 

 

寝た子を起こした滝川専務

ラグビー部は廃部の方向で意見書をまとめた君島でしたが、経営戦略室の元上司・室長の脇坂(石川禅)から、自身の左遷の原因となったカザマ商事買収の件を滝川が再点火させようとしていることを聞かされます。

 

つまり君島を府中に飛ばしたのも、社長肝入りのラグビー部廃部の筋書きを手伝わせたのも、すべて自分が代表取締役に就任せんがための滝川の策略だったのです。

 

しかし、滝川はここでひとつの誤算を犯してしまいます。

 

自分の思惑に沿った暁にと隼人の鼻先にぶら下げたニンジン「 それなりの礼はする 」の真意が、彼を本社に戻すことではなく、府中工場に新型のエアコンの導入であることを話してしまったのです。

 

アホじゃ、こいつアホじゃ。

 

画竜点睛を欠くを地で行くアホです、滝川常務。

 

それにしても上川さんも演技達者です、もう憎々しさ満々で思わずテレビに蹴り入れたくなります。

 

ゴチレギュラーだった頃には、こんな悪い人だとは思わなかったけどな~……そんな風に思えてしまうくらいです。

 

素晴らしい!

 

 

クライマックスの演説こそが日劇の見せ場

どん底に突き落とされて茫然脂質の君島は、雨中のグラウンドでやけくそのタックル連発。

 

いじめられた相手に勝ちたいがゆえラグビーをはじめたかった息子を諭す君島。

 

彼は変わりました。

 

翌日、部員たちを集めてラグビー部が置かれた現状、彼らの内にこびりついた甘えを負け犬精神を気づかせ、共に立ち上がることを宣言する君島。

 

うむうむ、これこれ、日曜劇場の見せ場はこの演説ですよ

 

詳細は文字なんかに起こしたくないな~、やはり臨場感のある言葉で聞かないと。

 

自信は取り戻しきれなくても、意地とプライドだけは残っていた部員たちと君島の二人三脚がはじまりました。

 

 

今後のキーマンたちが動き始めた

かくしてトキワ自動車ラグビー部は1年間の継続が決まりました。

 

しかし、なかなか決まらない新監督。

 

そんな中、ニュージーランドの海外事業部から帰国してくる七尾圭太(眞栄田郷敦)、ライバルチームのサクロンズから更迭された君島のラグビー嫌いの原因メーカー柴門琢磨(大谷亮平)、そして柴門の妻となった憧れのマドンナシオリ(川田裕美)らがストーリーに絡み始めます。

 

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ネタバレは嫌いだ~、原作は絶対に読まずにいようと思うハナオでした……今は。