「 狼なんか怖くない 」石野真子
作詞:阿久悠 作曲:吉田拓郎 編曲:鈴木茂
1978年3月25日発売
2018年最大の事件はカブトムシに後頭部をド突かれたこと、ハナオです。
今回のイントロが短い名曲たちは、石野真子の「 狼なんか怖くない 」を取り上げます。
「 狼なんか怖くない 」について
石野真子のデビューシングル表題曲
「 狼なんか怖くない 」は、石野真子のデビュー曲です。
石野真子は昭和を代表するアイドルの一人で、デビュー後数年間は絶大な人気を誇り、ハナオの周りにも自称“真子ちゃん親衛隊”がゾロゾロいました。
特徴的な八重歯と垂れ目がチャームポイント。
見た目の可愛さと親しみやすさを兼ね備えており、今でいう等身大の親しみやすさで嫌味を感じさせないキャラクターでもありました。
「 わたしの首領( ドン ) 」、「 ジュリーがライバル 」、「 春ラ!ラ!ラ! 」など多くのヒットを飛ばし、バラエティ番組にもよく出演していました。
1981年に長渕剛との結婚を発表・引退する際にハナオは、前述の友人の親衛隊のひとりから「 真子の幸せのために俺は身を引く 」と告白を受け、どうリアクションを取ったら良いのか困ったものです。
40th Anniversary Special~オールタイム・ベストアルバム
製作陣は超豪華
「 狼なんか怖くない 」の製作スタッフは聞いて轟く名前がズラリ。
作詞は音のブログでも度々登場している歌謡界の大御所、阿久悠。
詞のモチーフは阿久悠自身の作品であるピンクレディーの「 S.O.S. 」の一節 ~男は狼なのよ気をつけなさい~ を逆説的に使っています。
作曲は説明無用のフォーク界のカリスマ、吉田拓郎。
拓郎が作曲を引き受けた経緯はさておき、メロディラインは起伏に富んでいまして、若干くぐもり気味の声の石野真子がよくぞ歌えたものだと今さらながら驚かされます。
鈴木茂による編曲の詳細は次項にておこないますが、鈴木ははっぴぃえんど、キャラメルママ、ティンパンアレーなどに所属していた名ギタリストで、ユーミン、イルカ、大滝詠一はじめ多くのポップスや歌謡曲のアレンジも手掛けています。
それと石野真子がこの歌の「 あなたも狼に~ 」の箇所で右手で狼フェイスを作っていた振り付けが印象深いですね。
あんなにキュートなら狼なんか怖くない怖くないったら怖くない♪
あ、貼る画像間違えた(笑)
おもちゃ箱をひっくり返したような器楽アレンジ
コードの並びは曲が拓郎ですからギター仕様で大人しく、大胆な編曲もありません。
しかし、鈴木茂が施した楽器のアレンジはぶっ飛びものの騒がしさ。
なんだなんだ、一体どうした!?
まるでスタジオ周りでその辺歩いているミュージシャンを片っ端からつかまえて「 なんか音出して 」と頼み込んでやらせたかのようで……真面目な話をすればそんなことあるわけ無いのですが、「 狼なんか怖くない 」のアレンジャーが鈴木茂と知って意外ではありました。
イントロは2小節、バイオリンとフルートがユニゾンで分散和音を奏でています。
ひょっとしたらフルートはトリルキーを使っているのかもしれません。
エレキギターの短いオブリガードの後、弱起から歌がスタートします。
その後の伴奏は被さる被さる楽器の山!
聴き取れた分だけ列挙してみますと……。
メインのリズムパターンはアコースティック、要所でシモンズでフィルのドラムス。
ピッチカートから大サビでいきなりチョッパーを挟んでくるベースギター。
ストリングスとホーンのオーケストラセクション。
パーカッションはタンバリン、コンガ。
派手なグリッサンドのエレキピアノ。
ポルタメントをかけたシンセサイザー。
スリーフィンガーのバンジョー。
間奏にエレキがもう1本加わってのツインギター。
いや~、やりたい放題ですね。
まるで、ひっくり返ったおもちゃ箱みたい、愉快愉快。
エンディングはスパッと2小節、音が上がっていくギターのクロマティックランで締め。
演奏時間3分12秒。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。