草野球時代の守備はセカンド、得意なプレーは隠し玉、ハナオです。
今回の目で見て耳で聞く音楽理論は、Section1「 楽譜と音符を学ぼう」の第11回「 楽譜の上は記号だらけ 」( その3 )です。
「 音符の省略記号 」
「 反復記号 」の小節の省略とは別に、音符の記譜を省略する方法があります。
「 オクターブ記号による省略 」
五線上下に複数の「 加線 」が必要な場合、読み難さを軽減するため「 オクターブ記号 」により簡略化します。
「 上加線を要する高音域の省略 」
オクターブ下の音符の上部に破線による括弧と「 8 」の表記を付加します。
「 8va 」、「 8va up 」、「 8va ↑ 」の表記を用いることもあります。
「 下加線を要する低音域の省略 」
オクターブ上の音符の下部に破線による括弧と「 8 」の表記を付加します。
「 8va 」、「 8va bassa 」、「 8va down 」、「 8va ↓ 」の表記を用いることもあります。
「 オクターブ記号の取り消し 」
「 8 」などの表記の括弧のあとに、「 loco 」の標語によって音程が記譜どおりの高さに戻ります。
「 オクターブ2音の省略 」
同じ符割りで2音がオクターブで演奏する場合、主に「 加線 」側の音符を略して記譜できます。
標語はオクターブ上の省略は「 Call 8 」や「 Call 8va 」、オクターブ下の省略は「 Call 8 bassa 」や「 Call 8va bassa 」が用いられます。
「 同じ音程・フレーズ・符割りの省略 」
同じ音程・フレーズ・符割りを省略して記譜する方法で、和音やコードネームにも適用されることもあります。
「 1小節の中での同じ音符等の省略 」
主に「 4分音符 」1つ分と、それ以上により用いる記号が変わります。
「 小節丸ごと同じ場合の省略 」
1、2、4小節に渡る同じ旋律の繰り返しは記号により省略可です。
「 類似演奏型の省略 」
音程は異なっていても、演奏の音型や技法が同じ、または類似している場合には「 simile~ 」の標語や、演奏技法( 奏法 )の名称を表記することで略記します。
各種演奏技法に関しては次項で説明いたします。
「 トレモロの省略 」
同音または複数音を連打する奏法が「 トレモロ 」( tremolo )です。
クラシックギターの名曲「 アルハンブラの思い出 」で聞かれる“トゥルルルルルル”っていうアレです。
打楽器の「 ロール奏法 」( 非常に細かい連打 )も「 トレモロ奏法 」を同じくくりで表記されます。
音符と記号の読み方ですが、まず演奏する音自体の長さは“略記”の方の音価が該当します。
実際に「 トレモロ奏法 」で刻む音符の単位は、記号の斜線が「 8分音符 」以下の「 符旗 」の数に相当させます。
つまり画像の一番上の左ですと、演奏する音の長さは「 全音符 」ですから4拍で、斜線が1本なので「 符旗 」がひとつの音符 = 「 8分音符 」ということで“実音”で書いた譜面のとおりになります。
注意が必要なのは2つの音程の違う音符が斜線でつながっているケース。
次回紹介する「 グリッサンド 」の指示記号と似ていますが、線の太さや表記の場所が違いますので見分けてください。
このように2つの音を表記する「 トレモロ奏法 」での音価は、音符1個分になります。
たとえば上から3段目の真ん中の“略記”では「 全音符 」が2つ書かれていますが音価は1つ分ですし、一番下の段の左ですと「 2分音符 」が2つ書いてあっても“実音”の音価は1つ分の2拍です。
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次回の目で見て音で聴く音楽理論は、Section1「 楽譜と音符を学ぼう 」の第12回「 楽譜の上は記号だらけ 」( その3 )です。
最後までお読みいただきありがとうございました。