年々買い物の際の優柔不断度がアップしています、ハナオです。
今回は目で見て耳で聴く音楽理論、Section1「 楽譜と音符を学ぼう 」の第6回「 休符はしっかり弾きましょう 」です。
- 「 休符 」とは?
- 「 単純休符 」
- 「 付点休符 」
- 「 複付点休符 」
- 「 長休符 」
- 「 倍全休符 」( ブレーベ休符 )
- 「 四倍全休符 」( ロンガ休符 )
- 「 八倍全休符 」( マキシマ休符 )
- 「 グランド・ポーズ 」( ゼネラル・ポーズ )
- 「 休符 」は休むべからず
「 休符 」とは?
「 休符 」とは、音を出さない「 音符 」のことです。
えっ、「 休符 」って「 音符 」なの?と思われる方もいらっしゃるかと存じますが、かく申す理由は後程の解説をお待ちいただくとして~……。
まずは「 休符 」の種類について説明してまいります。
なお、特別注釈が無い限り、拍子は4/4( 4分の4拍子 )になります。
「 単純休符 」
「 休符 」の中で「 単純音符 」に相当するものを「 単純休符 」と呼びます。
「 全休符 」
横長の黒い四角の上辺が左右に伸びている形、これが「 全休符 」です。
その名の通り、指示された小節全体の音が休止されます。
「 五線 」上に表記するときには、「 第四線 」の下にぶら下がるような格好になり、「 音部記号 」による「 全休符 」の移動もありません。
「 全休符 」に相当する「 音符 」は「 全音符 」になります。
本当は「 全休符 」の長さも「 四分音符 」4つ分ですが、一般的には4/4( 4分の4拍子 )以外の拍子でも小節全体の「 休符 」として使用されています。
上記のように「 小節 」の中心に書かれ、この場合の正式名称は「 小節休符 」といいます。
「 全休符 」を本来の意味の「 四分音符 」4拍分の「 休符 」として用いる場合には、下のように小節の中心から左右どちらかにずらして表記されます。
なお、「 全音符 」の方も4拍子以外での「 小節音符 」として使用可と謳っている説もありますが、「 全休符 」の本来の意味から解せば明らかに謝りです。
「 二分休符 」
「 全休符 」を上下にひっくり返した形が「 二分休符 」、「 全休符 」の半分の長さ、4/4( 4分の4拍子 )の2拍分の休みを指示します。
「 五線 」上の表記は「 第三線 」の上に乗っかる形になり、「 音部記号 」による影響も受けません。
「 二分休符 」に相当する長さの「 音符 」はもちろん「 二分音符 」です。
なお、上の画像で「 二分休符 」が同一小節内に連続表記されていますが、特別なケースを除き通常はこのような記譜はおこないません。
そりゃそうだ、だって「 全休符 」書いちゃった方が早いもの。
「 四分休符 」
イナズマのごとき「 四分休符 」、なにゆえこんな形になったのか諸説あるものの正直なところわかりません。
自筆で記譜する場合、もっとも書き手の個性が反映される記号です。
一応正式には下から上に向かって書くものらしいのですけど、ハナオは上から下へとギザギザ3つで殴り書きです。
上端が「 第四間 」、下端が「 第一間 」、ようするに「 五線 」からはみ出さない程度に収めます。
「 四分休符 」は「 四分音符 」と同じ長さの休符です。
なお、上記の「 二分休符 」の項でもちょっと触れましたが、同じ「 休符 」が連続する場合は本来ならその上の音価の「 休符 」で記譜するべきですが、声部や楽器パートの関係上読みやすさを重視して音価の小さな「 休符 」を続けて書くこともあります。
「 八分休符 」
ま~た形が変わりました。
「 音符 」はマル( 符頭 )とボウ( 符幹 )とハタ( 符尾 )の組み合わせなのに、「 休符 」っていちいち形が違うのですよね。
茎の途中から折れて新芽が垂れ下がったゼンマイみたいなのが「 八分休符 」です。
「 四分休符 」より描くのが簡単です。
同じ長さ同士の「 八分音符 」と「 八分休符 」で楽譜を書いてみました。
「 十六分休符 」
ゼンマイの新芽が2つに増えました、「 十六分休符 」です。
ポピュラーミュージックの楽譜に於いて目にする機会がある「 休符 」は、ほぼここまでと考えて良いでしょう。
「 音符 」の「 符尾 」同様、あとはゼンマイの新芽の数が増やしていけば「 三十二分休符 」、「 六十四分休符 」と長さは1/2ずつ短くなっていきます。
「 付点休符 」
「 付点音符 」と同じく、「 単純休符 」の右横に「 付点 」が付くと1.5倍の長さを持つ「 付点休符 」となります。
個人的に非常に読みにくいと思うがゆえ、ハナオは自分の記譜ではまったく使いません。
「 複付点休符 」
「 複付点音符 」と同じく、「 付点休符 」の「 付点 」の右に更に「 付点 」が足され、元の「 休符 」の1.75倍の長さになるのが「 複付点休符 」です。
以下、「 付点 」の数が増えると「 複々付点休符 」「 複々々付点休符 」と変わっていく理屈も「 音符 」に倣います。
「 長休符 」
2小節以上「 全休符 」が続く場合、「 長休符 」を用いて表記を簡略化することができます。
「 五線 」の上の数字が休止する小節数になります。
「 長休符 」は「 連結休符 」とも呼ばれます。
「 倍全休符 」( ブレーベ休符 )
ここから先に紹介する「 休符 」は現在は「 長休符 」で記譜されることが多く、クラシックの楽譜以外ではほとんど見かけませんが、一応知識として覚えておくといざ出会ったときに面喰わずに済みます。
「 五線 」の「 第四線 」と「 第三線 」に渡る形で描かれる黒四角、これが「 全休符 」の2倍の長さを持つ「 倍全休符 」です。
正式名称は「 ブレーベ休符 」といい、つまり“2小節休み”の意味です。
「 四倍全休符 」( ロンガ休符 )
「 倍全休符 」が2つ縦に重なった形で「 五線 」の「 第四線 」から「 第二線 」までつなげた黒四角、「 倍全休符 」の2倍の長さの「 四倍全休符 」です。
正式名称は「 ロンガ休符 」、もちろん“4小節休み”の指示休符です。
「 八倍全休符 」( マキシマ休符 )
同一小節内に縦長の黒四角を二つ並べると“8小節休み”の「 八倍全休符 」、別名「 マキシマ休符 」の出来上がりです。
以上の黒四角形状の「 休符 」は、組み合わせて複数小節の休止を指示することもあります。
いや、どー考えても「 長休符 」使った方が書く方も読む方も楽っしょ。
なお、「 全音符 」にも「 二倍全音符 」( ブレーベ )、「 四倍全音符 」( ロンガ )、「 八倍全音符 」( マキシマ )が存在しますが、こちらはクラシック音楽の楽譜でさえも目にすることはまず無いので音のブログでもスルーいたします。
「 グランド・ポーズ 」( ゼネラル・ポーズ )
不特定多数の小節の休止には「 グランド・ポーズ 」(または「 ゼネラル・ポーズ 」)の略号である「 G.P. 」を用います。
「 休符 」は休むべからず
冒頭にも書きましたように、「 休符 」は音を出さない「 音符 」です。
これを意識するかしないかで楽曲の表情がガラリと変わります。
正規にクラシック音楽を学んできた人に比べて、独学で立ち上がってきたポップスやロックのミュージシャンの方は「 休符 」の認識が甘い傾向が見られます。
バイブルとして用いる教則本やスコアの記譜に指示が無いため致し方ないところではありますが、常に「 休符 」を脳内で鳴らすクセを是非身に付けて欲しいと思います。
相対的なテクニックアップに必ず貢献することは保証しますよ。
では最後に今回紹介したいろいろな「 休符 」だけを並べた楽曲の音声データをアップしますのでお聴きください……って、さすがにこれは冗談です(笑)
次回の、目で見て音で聴く音楽理論は、「 拍子もいろいろ、ノリもいろいろ 」( 前編 )です。
最後までお読みいただきありがとうございました。