それにしても学校の音楽の授業って、どうしてあんなに眠いのでしょう?
最近お気に入りの番組はBS日テレの「 恋するクラシック 」、ハナオです。
音のブログ見て耳で聴く音楽理論、今回はSection1「 楽譜と音符を学ぼう 」の第3回「 五線と縦線 」について説明してまいります。
五線と加線
まずは下の画像を見てください。
この五線に表示されている音は「 ソ 」です。
実際にはオクターブ上下やそれ以外にも「 ソ 」はあるのですが、今回は五線の中限定の縛りでまいります。
音符がどこにあるのか、しっかり覚えてください。
では、次に下の画像を見てください。
書かれているのは五線だけで、音符が無くなりましたね。
この五線の中で「 ソ 」はどこにありますか?
アナタが書くのではなく口頭で示してください。
ええと、下から二番目の線の上の…………きっとこんな風に教えようとしますよね。
もしくは「 ここ! 」と言いながら指を指すとか(笑)
でも五線の場所にはそれぞれちゃんと名前があります。
「 線 」と呼び方
最初の五線画像です。
ここで「 ソ 」がある位置は「 第2線 」と呼びます。
線は下から数字が大きくなりますので、それぞれ「 第1線 」「 第2線 」「 第3線 」「 第4 線」「 第5線 」の名前がついています。
「 間 」と呼び方
今度はこの画像を見てください。
五線に表示されている音は「 ド 」です。
上から2番目と3番目の線の間ですよね。
線と線の間は、その見た目どおり「 間 」という名前です。
「 間 」も「 線 」と同じように下から上に向かって数字を増やして呼びますので、「 ド 」のある位置は「 第3間 」になります。
線は5本ですから、線に挟まれた部分はそれより1つ少ない4箇所になり、下から「 第1間 」「 第2間 」「 第3間 」「 第4間 」がそれらの名前です。
4行前の文のごとく、間違っても上から数えはじめないように気を付けてください。
「 加線 」と呼び方
さて、それではハ長調の「 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」を楽譜に起こしてみます。
この五線の中の「 ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド 」がある位置の呼び方はわかりましたね。
では「 ミ 」の下の五線からはみ出した「 レ 」と「 ド 」がある位置はなんという名前なのでしょうか?
五線から上下にはみ出す音符の位置を示すために付け足す線のことを「 加線 」といいます。
五線の上、つまり高い音の方に付く「 加線 」を「 上加線 」と呼び、五線の下、低い音の方の「 加線 」は「 下加線 」と呼びます。
ただし、「 加線 」あくまで線自体の総称です。
音の高さ = 位置を表すには先ほどの「 線 」と「 間 」の呼び方の一番最初に「 上 」「 下 」を付加して、「 上第〇線 」「 上第〇間 」「 下第〇線 」「 下第〇間 」と呼びます。
「 加線 」の番号は、五線に近い方から小さな数字を当て嵌めるので注意してください。
ということで、先ほどのこの画像の「 ド 」は「 下第一線 」に、「 レ 」は「 下第1間 」にあることになります。
「 線 」と「 間 」呼び方まとめ
五線および「 加線 」の位置と呼称を一覧にまとめます。
なお、五線は英語で「 staff( スタッフ ) 」といいます。
小節
五線譜には、下図のように縦の線による区切りが見られます。
ここには3種類の縦の線が表記されていますが、それぞれの意味について説明いたします。
「 縦線 」と小節
どの歌にも曲にも、基本となるリズムが存在します。
リズムというとドラムや打楽器の演奏を思い浮かべる方もいらっしゃいますが、つまりは歌や曲に合わせて打つ手拍子みたいなものと考えてください。
クラシック音楽とかはちょっと打ちにくいかな?
でもクラシックにもちゃんと基本のリズムはあります。
指揮者が振っているタクトの動き、あれが刻んでいるのがリズムそのものです。
リズムは特殊なケースを除き基本的に同じ単位の拍でまとめることができ、五線上ではそのまとめごとに縦の線で区切ります。
区切られら部分を「 小節 = bar( バー) 」、線を「 縦線 」または「 小節線 = bar line( バー・ライン ) 」と呼びます。
「 複縦線 」と用途
もう一度この譜面を見てください。
この曲には縦線の区切りが8つあり、8小節の曲であることがわかります。
4小節目の右の縦線が2本線になっていますが、1本の縦線が楽譜が二段に分かれているがゆえ自動的に変化したものではありません。
この2本の縦線は「 複縦線 = double bar line( ダブル・バー・ライン ) 」といいます。
「 複縦線 」は以下のケースにて用いられます。
1) 楽曲のパターン( 段落 )変化の区切り
百聞は一見にしかず、8小節の短い曲を作って楽譜と音声データを載せてみましたので、まずは見て、聴いてみてください。
上段4小節と下段4小節でメロディのモチーフが異なっていることがおわかりいただけましたか?
つまり上限と下段ごとにパターンを形成していて、この曲は2つのパターンで構成されていることになり、パターンの境目である4小節目の右の縦線を「 複縦線 」で区切っています。
今回はきっちり4小節単位で別段にわかれていましたが、楽曲や演奏形態によって違うパターンが同じ段に横並びに記譜されることも少なくありません。
そのような場合に見やすくするために「 複縦線 」が持ちいられることがあります。
2) 速度や拍子、調号が変化する場合
こちらは上記条件をまとめて1枚の楽譜に収めました。
「 速度記号 」「 拍子 」「 調号 」に関しては別項にて詳しく取り上げますので、ここではザックリと演奏に対して変化の指示があった場合に「 複縦線 」を用いることがあると理解しておいてください。
3) 反復記号、終始記号との連動
通常、楽譜は左から右へ、上段から下段へと演奏されますが、同じ小節を繰り返し演奏する場合に譜面を省略する目的で「 反復記号 」が用いられます。
「 複縦線 」は「 反復記号 」と連動し、同箇所に記譜されることがあります。
それぞれの「 反復記号 」の意味についてはこ、ちらも別の記事で説明いたします。
また、演奏の終了を示す「 終始記号 」とも連動し、やはり同箇所に併記されることがあります。
「 終始記号 」についても、のちほど別項にて取り上げます。
「 終始線 」
最後に今一度この譜面をご覧ください。
五線の下の段の一番最後、8小節目の右端に書かれた太い線と細い線の組み合わせは「 終始線 」といい、文字通り楽曲の終了を現します。
なお、曲の音が次第に小さくなる、いわゆるフェードアウトで終わる場合はこのように記譜します。
すみません、冗談です(笑)
本当は下図の表記が一般的なようです。
今回は「 五線と縦線 」について説明しました。
?
次回の目で見て音で聴く音楽理論は、「 音部記号 」を取り上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。