1980年代、当時まだJ-POPという言葉が無かった歌謡界で、ビジュアルと演奏力を兼ね備えたアイドルグループの人気が爆発していました。 かれらの名はチェッカーズ。
「 ギザギザハートの子守歌 」「 涙のリクエスト 」「 ジュリアに傷心 」など出す曲が軒並みヒットチャートを席捲。
ヴォーカルの藤井フミヤさんや、サックスプレイヤーの藤井尚之さんは、今なお芸能界の第一線で活躍しています。
そんなチェッカーズと同時期の80年代に、もうひとつビジュアルと演奏力を武器にアイドルテイストで売り出していたグループがありました。
その名はC-C-B。
当時、ハナオ個人はハナオはチェッカーズよりもC-C-Bの方に音楽的可能性を見て、彼らを応援しておりました。
両者の楽曲のクオリティに大きな差は無かったと思いますが、C-C-Bはコンセプトがファンに受け入れられきらずセールス的にチェッカーズに及びませんでした。
本当に良い歌、たくさんあるんだけどなぁ~。
今回は、C-C-Bについてとグループ解散後の出来事、グループの顔だったドラム兼メインヴォーカルの笠浩二さんと彼が見舞われた不運、その後について取り上げます。
C-C-Bとは?
C-C-Bのデビューは1983年、正式名称はCoconut Boys( ココナッツ・ボーイズ )です
ですが、メディア出演開始当時からずっと略称のC-C-Bの方を使用していた記憶しかありません。
メンバー全員髪にカラーリングを入れ、原色を強調した衣装と軽くてノリの良い楽曲で、チェッカーズとは別の意味でチャラさを感じさせていました。
グループは構成は5人で、中でもひときわ目立っていたのがドラム担当でヴォーカルの笠浩二さん。
カラーフレームのメガネ( 度無しのダテメガネ )をかけ、ヘッドセットマイクを装着し甲高い声で歌いながらシモンズのエレクトリック・ドラムを叩く姿は、一度見たら忘れられないインパクトがありました。
昔、某大物映画俳優が、ドラムをひっぱたきながら「 ジャブだ、フックだ、アッパーだ 」と倍返しを叫んでいましたが、ああいう演出色の強いものではなく笠浩二さんの歌いながらのドラムプレイは彼が隠れた実力者、つまり本物のミュージシャンであることを示していました。
もっとも、C-C-B自体全員の演奏スキルはしっかりしており、「 空想Kiss 」ではベースの渡辺英樹さんがチョッパー奏法( スラップ奏法 )を弾きながらヴォーカルをとるという、当時の楽器小僧からするとなかなかの離れ業を披露して驚かせてもくれました。
代表曲は「 Romanticが止まらない 」で、中山美穂さん主演のドラマ「 毎度おさわがせします 」主題歌に使われ、2005年にはフジテレビのドラマ「 電車男 」の挿入歌としてリバイバルヒットもしました。
解散後不運続きのC-C-B
C-C-Bは1989年10月9日の日本武道館ファイナルライブをもち、わずか7年間の活動を終了・解散いたしました。
2008年には一度再結成を果たすものの、目立った成果は出せず再び活動を凍結。
その後、C-C-Bは思わぬかたちで世間を賑わすようになります。
2015年、キーボード田口智治さんが覚せい剤所持の現行犯で逮捕されます。
そのわずか11日後、入院治療中だったグループの元リーダーでベース兼ヴォーカルの渡辺英樹さんが逝去。
死因は急性大動脈解離でした。
短期間に続けて報道された元C-C-Bメンバーのニュースに、ハナオも衝撃を受けました。
翌2016年、田口智治さんが覚せい剤使用の罪で再び逮捕、執行猶予付き実刑判決を受けてしまいます。
メディアに「 覚せい剤が止まらない 」とヒット曲を揶揄して用いられたときは、ファンだった身として胸が痛くなったものです。
なお、ギター兼ヴォーカルの関口誠人さんも2007年に心筋梗塞を発症し、呂律が回らなくなる後遺症が出て今現在も通院を続けています。
ドラマー笠浩二さんを見舞った悲劇とその後の活動
それら元メンバーが様々な災禍に見舞われる度に、前述のようにC-C-Bで最も認知度が高かった笠浩二さんが取り上げられインタビューを受けたりコメントを発したりしていました。
上記のとおり、短期間に次々に起こったトラブルでしたし、笠さんの心労もいかばかりだったかと察せられます。
笠浩二さんご自身は熊本県に居を移し、音楽活動やラジオ番組のコメンテーター等の芸能活動と並行して農業に従事する生活を送っていらっしゃいました。
また前述の「 電車男 」での音楽使用や、“あの人は今”的な芸能人懐古系番組にも多く出演され、元C-C-Bメンバーの中では一番陽のあたる活躍をされていたと思います。
ところがそんな笠浩二さんをも、突然の悲劇が襲います。
2016年4月14日、最大震度7を記録した熊本地震です。
それは奇しくも、田口智治さん2度目の逮捕と同じ日でもありました。
まさに波乱万丈、言い方の是非はさておき”今度は自分の番か”と思ったことでしょう。
道路が寸断され、ライフラインも途切れる中で、自宅傍の水源と自作の野菜で飢えを凌ぎ、車中泊も経験された笠さんが励まされたのはラジオから聞こえてきた「 アンパンマンのマーチ 」だったそうです。
改めて音楽が人に勇気と希望を与える力に感銘した笠さんは、今では恩返しの意味も込めて地元などでライブ活動をされています。
C-C-Bベストアルバムのご紹介
ポップなサウンドでいまだに人気が高いC-C-B。
彼らのお勧めの1枚( 2枚組ですが )はコレです。
?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。